Q
Tさんは、仕事や家事・育児で忙しく過ごしてきた。どんなことにも頑張る性格のため、とにかく精力を傾けて自分の役割を果たしてきたが、いつの間にか忙しさに追われ、疲れがたまり、最近では心のモヤモヤも晴れない。Tさんは、この追い詰められるような重苦しい状態を何とかしたい、心機一転してリフレッシュできる良い方法はないかと思い、タロットに助言を求めることにした。
H・Tさん 40代 神奈川
A
(1)現状
現状 |
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①現状に出たのは「愚者」である。Tさんには、新しい一歩を踏み出そうとしている自分の姿に見えた。カードが正位置で出ていること、また愚者が上を見上げていることから、Tさんは、忙しさで疲れ、心がもやもやしているが、その奥に現状を前向きに捉えようとしている自分がいると感じることができ、安心した。そして、絵柄に触発され、「辛いばかりではない、必ず道がある」との思いが沸々と湧いて、元気が出てきた。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯には「皇帝」が出た。Tさんは、すぐに動き出せる体勢を取りながら、しっかりと立つ皇帝の姿を見て、これまでの自分を見る思いがした。自分も、地に足をつけ、日々の生活を着実に積み重ねるようにしてきたからである。Tさんは、カードが正立であるのを見て、自分のこれまでの過ごし方はよかったのだと思った。
(3)展望
③展望に出たのは「13」R。Tさんは、鎌を持って踏み出そうとする姿の逆向きに目を留め、新たな一歩を踏み出したい気持ちがあっても、何もしなければ変化は起こらないと言われているように感じた。厳しい絵柄であるが、自分に必要な鋭い指摘であると、Tさんは納得した。
(4)
④「皇帝」の注目カードは「恋人」Rで、Tさんは天使に注目した。絵柄の三人は、自分と二人の子供たちの姿に違いないが、賑やかで騒がしい日々を送るうちに、天使の働きかけに注意を払うことがなかったことに気づいた。以前は大切にしていたことなのに、いつの間にか日常の忙しさで遠ざかってしまっていた。それが、今の心のもやもやにつながっているのかもしれないと思い至り、はっとした。
(5)
⑤「恋人」Rの対策カードは「審判」が出た。この二枚は親縁が多いが、Tさんは、特に天使の親縁に着目した。「審判」では、「恋人」と異なり、下の人物が天使の存在に気づいている。そうだ、この人物のように、自分も心を澄まし、心の声にしっかりと耳を傾ける必要があると思った。
(6)
⑥「13」Rの対策カードは「女帝」で、Tさんは、まず、自分の内面の充実を図り、慌ただしかった日常生活に、精神的な豊かさや潤いを取り戻していこうと思った。心に余裕が持てるようになれば、忙しさに追われる自分から、主体的に取り組む自分になれるに違いない。今までの流れを変えるきっかけにできるだろう。
(7)
⑦「女帝」の注目カードは「宙吊り」で、内面の充実の方法として、絵柄から、Tさんはまず「内省」・「瞑想」を思い浮かべた。一日のほんのわずかでもいいから、自分の心と向き合う時間を確保しようと思った。そうすれば、日々忙しくても、心を見失うことを防げるのではないだろうか。すぐにできなくても、この習慣を持続させていくなら、きっと自分を変えられると思った。
アドバイスカードは「星」である。カードのように、壺から水が枯れることなく流れ続けるためには、自分自身の心が充たされている必要があるとタロットは教えてくれている。日々の生活をより豊かにするためにも、まずは内面の世界を充実させたいと思った。また「星」のカードがアドバイスカードになったことで、以前、熱心に学んでいたアストロロジーの勉強を再開することも、自分と向き合う助けになりそうだ。これも前向きに検討することにした。
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