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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第419回 主人が事業に必要なお金を貸してほしいと言ってきた。

Q Tさんのご主人は、会社の業務以外に新事業を3年ほど前に立ち上げたが、ずっと苦闘している。Tさんは、今まで、その事業に対し賛同できない面もあって、口を出さない代わりにお金の支援もしてこなかった。そして、事業が軌道に乗らず、借金だけが残るご主人に、事業に対し資金提供をしてくれるスポンサーが見つからない場合は、新しい展開はしないと約束を取り付けた。にもかかわらず、ある日、ご主人がTさんに、運転資金が必要だから、工面してほしいと頼んできたのである。今回は、この事業に対する国の補助金申請が通り、3月末には必ず返すことができるという。だから、何とか、それまで貸してほしいということだった。Tさんは、約束と違うと思った。これまでの経緯からするなら、断ればいいのだが、でも今回は、なぜか心が揺れた。 以前、Tさんが、実家の問題や仕事のやりくりで悩んでいたとき、ご主人の物心両面の寛大な支援に、ずいぶん助けられたことがあったからである。それに、今回は補助金申請が受理されている。Tさんは、心を決めるために、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                               K・Tさん 40代 東京

A

(1)現状
  現状
①現状には「運命の輪」が出た。カードを見るなり、Tさんは、今回はお金を融通しようと思った。回る輪からは、融通するお金が返済される様子や、融通するお金が、その事業を将来的に発展させるための経費として活きる様子が想起された。ご主人は、特許を取得するなどして、未来に利益を出していけるよう前向きに取り組んでいる。Tさんは、支援をするなら今だと感じた。また、Tさんの母親とご主人は仲が悪いが、もしTさんの母親も支援に関わってもらえるようにできるなら、2人が歩み寄るチャンスにもなるかもしれない。そう思うと、いろいろな意味で、よい機会になりそうだ。 (2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「節制」Rで、カードを見るなり、Tさんは、しばらく前の自分の姿を思い出した。その頃、Tさんは、高齢になって1人で生活できなくなった母親の世話や実家の家業のことなどで手一杯で、まったく心の余裕がなかった。ご主人から事業の話を聞かされても、きちんと理解もせず、安易に応援していた。それなのに、事業資金が必要になったとき、ご主人が相談もなく勝手に大金を注ぎ込んだことを知って、許せなくなってしまった。しかし、最初は安易に応援していた自分は、結局、何の手助けもしなかった。このことも、引っ掛かっていたのである。 (3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「太陽」Rで、しばらくは喜べそうにない。利益を出す企画案は作ったが、借金もあるので、すぐ利益を出すようにはならないのだろう。 (4)
   経緯    現状    展望
 
     (4)
④「節制」Rの対策カードは「世界」が出た。Tさんは、四隅にいる生き物の中で、左下の牛だけが光背を持たないことが気になった。牛は四大の地を象徴する。それは、ご主人から頼まれているお金の融通のことに違いない。この牛には、光背がないことから、お金を絶対的な尺度としてはいけないと言っているように見えた。 (5)
   経緯    現状    展望
 
      (5)       (4)
⑤「世界」の注目カードは「月」となった。Tさんのご主人は、発想力が豊かで、これまで会社の業務の中でも、多くの企画を発案し、事業を率いてきた実績がある。家にいるときも、Tさんに、たくさんの夢を語ってきてくれた。壮大すぎてついていけなかった夢もあれば、Tさんでは決して描けない夢に尊敬したこともある。でも、現実主義のTさんは、頭では理解できても、実際に応援するとなると、なかなかできなかった。色の違う2匹の犬が向き合っているので、夢を語る主人に対して、Tさんは、現実的なレベルの応援を考えると、ちょうどよいのかもしれない。ともかく、向き合うことが大切であると思った。 (6)
   経緯    現状    展望
   
     (5)       (4)      (6)
⑥「太陽」Rの対策カードは「女帝」で、この人物はTさん本人である。実は、ご主人からは、この度の新事業を手伝ってほしいと何回も言われてきた。 Tさんは、一緒に仕事をすると絶対にうまくいかないと思ってきたので、一切関わろうとしてこなかったが、自分に大丈夫と思える範囲にとどめるなら、手伝う余地がありそうだ。 (7)
   経緯    現状    展望
   
      (5)       (4)      (6)      (7)
⑦「女帝」の注目カードは「正義」で、バランスの取れた天秤が際立って見えた。ご主人は、Tさんを、夢がない現実主義者と評するが、Tさんからすれば、ご主人は、発想力は素晴らしく尊敬はするが、典型的な夢追い人で、現実と離れているように見えてならない。きっと、一方の力だけではうまく行かないことも、両者が協力して、お互いにバランスをとるようにするなら、目に見える成果につながると思えた。 アドバイスカードは「世界」。空色のリースがすべてをつなげ、円満な輪を作り上げているように見える。Tさんは、中央で楽し気に踊っている人物が自分であると思った。この人物のように、まず自分がおおらかであることが大切。主人への対応も、眉間にしわを寄せて、厳しく追求して断罪するより、大きな心で対応するのがよいと心が決まった。今回だけは、主人にお金の融通をして、応援することにした。 前回のケーススタディ (第201回~最新号) (第82回~第200回)