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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第418回 引っ越しする気満々でいる夫に、どう向き合うとよいか。

Q

Sさん夫婦は、現在のマンションに住んで16年になる。賃貸をやめて家を購入しようと思い立って手に入れた住まいであるが、実は、第一希望ではなかった。気に入った物件は他にあったのだが、購入間際に、ローンの問題で折り合わないことが判明したため、現在のマンションに落ち着いたという。他の選択肢がなかったのである。だから、幸先の良いスタートではなかった。住み始めて、7.8年経った頃、裏手に公園やバスケットコートやサッカー広場ができ、最初はよかったが、やがて騒々しさが、早朝や深夜にまで及ぶことが多くなり、ストレスになってきた。Sさんの夫は、こうした自分に降りかかる一連の出来事から思っていたことがあったようで、実家に対して負っていた責務を果たすと、いきなり家探しを始めたのである。今までの人生で抑圧してきた思いがあるのかもしれないが、とにかく、「今度こそ、自分の夢を叶えるんだ」と、息巻いている。Sさんは、今の住まいに、夫のような不満は感じていない。引っ越しする気満々の夫にどう向き合うとよいのか、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                               Y・Sさん 40代 埼玉

 

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「星」Rである。自然豊かな絵柄は、まさに現在の住まいのある地域をあらわしている。カードの人物は、Sさん本人である。Sさんは、自然に囲まれて暮らすのが好きなので、ここに住み続けてもいいと思ってきたが、カードは逆向きで、現状は、調和と余裕が失われていることを示唆している。Sさんは、その通りだと思った。「家探し?何を言い出すの?」と口論もして、心穏やかでなかったこともある。一方、これまでの長年のいきさつを考えれば、夫の気持ちもわからなくはなかったので、家探しに付き合ったこともある。でも、具体案をもって行くわけではないので、不動産屋に行っても物件を見るだけで、話が進まない。ここでも、Sさんは疲れるばかりなのである。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「神の家」が正立。Sさんは、建物の前で逆立ちする人物を見て、実家に対して負っていた責務を果たした夫が、「これからは、自分の人生に専念できる。思う存分やって立て直そう。」と小躍りしているように見えた。そのためには、まずは家探しだ!と思い立ったのかもしれない。カードは正立なので、家探しは良いようだ。ただ、Sさんは、建物から身を乗り出すもう一人の人物(Sさん)が、小躍りして逆立ちのポーズをする人物(夫)とは顔の向きが違うことが、気になった。二人の間では、確かに家探しに温度差がある。でも、違うほうを見て温度差があるからこそ、夫が衝動に走らないで済むのかもしれない。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望に出たのは「仕事師」で、このカードは夫のソウルカードである。バトンを手にして、やる気満々の様子。「気に入った家に住むためにも、ばりばり仕事するぞ!」と、意気込んでいるようだ。「星」Rに目を遣っているので、出だしからつまづいた今の住まいではなく、すべてを一新して、都心で頑張っていきたいと思っているのかもしれない。「仕事師」も正立なので、今後の方向性は良さそうだ。ただ、正立ながら、Sさんは、仕事師自身が、テーブルにあるさまざまなものには目を向けていないことが気になった。このあたりのフォローは、自分の役割だろうか。

(4)
   経緯    現状    展望
 
     (4)
④「星」Rの対策カードは「月」で、2匹の犬が吠え合っている様子を見て、家探しに関して、もっと2人でとことん話し合う必要があると思った。2人がともに共有できる夢やヴィジョンがあれば、困難が生じたときも力を合わせて乗り越えられるであろうが、本心では納得していないのに、ものわかりのよい人を演じてしまったり、肝心な部分の共有をあいまいにしておくと、問題が発生するたびに、いがみ合うことになりかねない。Sさんは、思い当たることがたくさんあるだけに、対策カードの助言は、ずしりと来た。

アドバイスカードは「宙吊り」である。足の形は木星記号を想起させ、人物の表情も逆さでありながら、非常にゆったりしている。Sさんは、今の自分に必要なのは、このおおらかさ、静けさであると痛感した。心の中が自分の思いや感情で波打ったままでは、翻弄されるばかりで、夫との対話もうまくいかず、建設なヴィジョンを共有することもできない。家の購入や売却は、二人の人生にも大きく関わるので、心を十分整えて、話し合いに臨むことは外してはならないと思った。

前回のケーススタディ

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