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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第376回 新製品の開発プロジェクトにおける自分の役割は何か。

Q

Mさんの会社では、コロナ禍により来期予算の大幅な見直しが行われ、予定されていた製品の開発担当者の採用が、いったん白紙となった。しかし、2年以内に新製品を出す計画は変わらないため、とりあえずの対策として、社内有志による開発プロジェクトチームを発足させることになった。専門的な知識を持つ担当者を欠く中、果たして素人の寄せ集めでどこまで製品化を実現させることできるのか、Mさんは心配と不安で一杯である。Mさんも部署の一員として、そのプロジェクトに関わっていくことになるのだが、自分には何ができるのか、どのようなスタンスを取るべきか、タロットに聞いてみることにした。

                                                                                                                                                                                                                           T・Mさん 40代 神奈川

A

(1)現状
現状
①現状には、「力」が逆向きで出た。Mさんには、少女がプロジェクトに関わることに不安を抱く自分の姿に見える。少女がライオンにてこずっているように、Mさんは、自分の直接の職務でない事柄に対して、はたしてこれまでの経験やスキルを活かすことができるのか、自信が持てないでいるのである。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「世界」が逆向きである。新規採用が中止になったことでプロジェクトのメンバーが揃わず、予定していた計画が難航する様子が見て取れる。Mさんは、世界的なコロナ禍ゆえの新規採用中止はしかたがないことと、頭では理解するが、なにせ今の部署に移って年数が浅いので、どうしても心配が先立ってしまう。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「月」の逆向きで、Mさんには、向かい合う犬が社内で寄り集まったメンバーに見えた。逆向きに出ていることから、出される意見やアイデアが理想や夢ばかりになってしまう懸念がありそうだ。十分予想されることだが、開発の期限が決められている以上、絶対に避けなければならないと、Mさんは肝に銘じた。

(4)
経緯 現状 展望
    (4)
④「力」Rの対策カードは「隠者」が出た。Mさんは、課題カードと対策カードを見て、このプロジェクトに関わる自分の役割が見えて来た。今の部署での年数は浅いが、会社の勤続年数は長いので、プロジェクトメンバー内では、Mさんは、誰よりも会社の理念やプロジェクトの目的が掴めている。それゆえ、自分の役割は、一歩控えたところから、これらをランタンの灯りとして掲げ、チームの仲間たちを照らし導いていくことであると思った。決して目立つ存在ではないが、会社の理念にふさわしいものを生み出していくには、重要な役割であると納得。

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経緯 現状 展望
    (5)  (4)
⑤「隠者」の注目カード兼「世界」Rの対策カードは「愚者」で、まさにプロジェクトに集められるメンバーをあらわしている。メンバーは皆、製品の開発においては専門知識を持たない素人である。どの人も自ら志願して来てくれる人たちなので、やる気満々である。隠者の掲げ持つランタンの灯りを見上げ、この灯りを拠り所にして前に進もうとする姿が頼もしく見えてきたMさんは、愚者と隠者が一体となれば、何とかやり遂げられるのではないかと思えてきた。

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経緯 現状 展望
   
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⑥展望の対策カードは「正義」。真っ先に剣が目に入った。新しいものを生み出すのに、夢や理想は大切なものだが、夢や理想を語るだけでは、製品化を実現することはできない。Mさんは、自分の役割として、正義の女神のように現実的な目を持って、時には厳しく取捨選択していく必要があると気づいた。

アドバイスカードは「恋人」である。Mさんは、両サイドから聞こえてくる意見やアイデアに耳を傾けながら、自ら決断する真ん中の人物のようであれと言われた気がした。自分に必要なのは、現場のまとめ役として、最終判断の責任を持つ姿勢なのだ。腑に落ちるものがあった。難しい役割だが、タロットから得た示唆を糧に、挑戦してみようと思った。

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