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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第366回 副業が順調である。本業との兼ね合いをどうするとよいか。

Q Mさんは、25年間フリ-ランスで、翻訳の仕事に携わってきたが、数年前に、副業でアクセサリーの創作と販売を始めた。いざ始めてみると、われを忘れるほど楽しく、本業より取り組む時間も、収入も大きな割合を占めるまでになった。副業が成功しているので、Mさんは、ふっと、「翻訳の仕事を辞めて、アクセサリー1本に絞ろうかしら」と思うことがある。年齢的なことや、楽しさ、やりがい、収入を考えると、よいアイデアのように見える。しかし、翻訳の仕事も、Mさんを信頼する固定のクライアントさんがいる。変動の激しいご時勢でもあるので、複数の収入源を持っていたほうがよいようにも思う。今後の指針を得るために、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                         K・Mさん 50代 東京

A

(1)現状
現状
①現状に出たのは、「節制」である。Mさんは、2つの壺を巧みに操る姿を見て、本業と副業をこなしている自分であると思った。カードは正立なので、何の問題もないようだが、節制の天使の視線が、2つの壺ではなく別のものに向けられている点が気になった。翻訳の仕事は、緻密さが求められ、Mさんはプロとして対応できているものの、心情的にはいささか窮屈さを感じている。副業のときの自分は創造的で、まさにこの仕事は、自分の性格にぴったりだとの感触がある。そこで、つい、窮屈さを感じる仕事は、自分に合っていないのではないかという思いにとらわれるのである。 (2)経緯
経緯 現状
②経緯は「悪魔」Rで、Mさんは悪魔が乗る丸い台座に注目した。自分の足元にあって、自分を支えるものなので、自分の生活を支える仕事や収入を示唆しているのかもしれない。 2匹の小悪魔を従えている悪魔のように、Mさんは2つの仕事をしてきたが、逆向きが示すように、副業の比重が大きくなってしまった。副業が順調なのはありがたいことであるが、本業との掛け持ち具合のバランスがうまく取れないのは、やはり苦しい。 (3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「愚者」で、何事にも鷹揚で、気楽な人に見える。Mさんは、愚者から、「いつでも、自分の心を自由にしておくといいよ。どんなことにもすぐ対応できるから。特に、目まぐるしく変動する時代はね」と諭されたように感じ、結論は急がず、このままでいようと思った。時代がどんどん変わっている最中なので、思ってもみなかった展開があるかもしれない。 (4)
経緯 現状 展望
 
    (4)
④「悪魔」Rの対策カードは「審判」で、Mさんは、翻訳エージェントと話し合う必要性を感じた。翻訳は25年間続けてきた仕事である。エージェントの担当者とは、長年の付き合いがあり、これまでMさんの仕事の評価は高い。Mさんは業界の賞をいただいたこともある。エネルギーを要する大変な仕事ではあるが、やはり自分の能力が活かせる適職なのだ。まず、担当者に実状を話して、仕事の進め方を相談してみるのがよさそうだ。 (5)
経緯 現状 展望      (5)
 
     (4)
⑤「愚者」の注目カード「運命の輪」からは、波の上で回る輪が目に飛び込んできた。2匹の動物は、その動きに合わせながら、回る輪に上手に乗っている。時代も波のように移り変わり、景気やビジネスも波がある。仕事はその波に合わせて行っていくもの。2つの仕事も、その時その時の波に乗ってやってくる依頼に対応してやっていけばよいのだ。翻訳はアクセサリー販売とのバランスを柔軟に取りながら、このまま続けていこうと思えた。 アドバイスカードは「戦車」。2つの車輪は2つの仕事、馭者はMさんである。リーディング内容を後押しするぴったりのカードである。迷いも吹っ切れた。2頭立ての馬車を乗りこなしていこうと、心が決まった。 前回のケーススタディ (第201回~最新号) (第82回~第200回)