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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第365回 浸透するSNSとどう向き合っていくのがよいか。

Q Hさんは、もともとSNSには慎重で、ほんの少し関わって来ただけである。コロナ禍の問題で社会全体が揺れ始めてからは、フェイクニュースの拡散の恐ろしさや、ネット上での発言がどんどん過激になって人を追い詰めてしまう怖さを目の当たりにして、気持ちが重くなり、そのうちに休止モードに入ってしまった。知人の中には、こんな時期こそどんどん発信すべきと積極的に活用し、Hさんに「もたもたしていると時代に取り残されてしまうわよ!」と、発破をかけてくれる人もいる。言葉に敏感なHさんは、自分の意見や気持ちをストレートに主張することに抵抗がある。優柔かもしれないが、性格的に自分が言葉で傷つきたくないから、自分の発する言葉も気を付けたいという気持ちが強く、ややもするとブレーキがかかってしまう。これから、SNSはもっと身近になり、仕事や人間関係に不可欠のツールになると思われるので、いつまでも休止モードというわけにはいかない。再開するなら、おとなしすぎると思われても、自分が気持ちよく継続できるやり方を大切にしていきたいと思う。SNSに対する自分の基本的スタンスは、これでよいのか、タロットで見ることにした。

                                                                                                                                                                                                                        A・Hさん 50代 東京

A

(1)現状
現状
①現状には「斎宮」が出た。Hさんは、カードを見るなり、自分であると思った。ヴェールの中にいる斎宮は、発言に慎重で、自分を積極的にアピールすることはしない。でも、単なる引っ込み思案には見えない。書物を手に持っているので、じっくり言葉を吟味しながら、熟慮した言葉を話す人なのだろう。Hさんは、正立で出たこのカードを見て、斎宮のような姿勢でいいのだと思った。他者から見れば消極的・地味に見えるかもしれないが、自分の性格には合っている。周囲の言うことに煽られたり、迷ったりする必要などないのだ。Hさんは、心の靄が晴れ、本当に嬉しかった。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「宙吊り」。狭いところに閉じこもって動きが止まった絵柄は、SNSを控え、休止モードに入っていた時のHさんをあらわしている。その頃は、コロナ禍の問題、自然災害、社会の混乱が世界中で起こり、ネットを開けば、冷静でいられないような衝撃的ニュースがどんどん入ってきていた。同じ出来事を取り上げるにしても、取り上げ方や表現によってあまりにも違うことに、Hさんは呆然としていた。でも、振り返れば、自分のSNSの手は止まっていたが、同時に、自分の関わり方を考えさせられた時であった。カードは正立なので、見直すきっかけができてよかったのだろう。それ以前は、ほんの少しの関わりでも、やらなければ!という思いが強く、頑張りすぎたこともあったから。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は、「運命の輪」である。Hさんは、車輪の上の台座にどっしりと座る生き物に注目し、SNSとはこうした関わり方をしていくのがよいと思った。時代の流行や人々の関心のうねりと一体になって盛り上がることを求める人は、車輪の動きに合わせて駆け巡る2匹の動物のように、どきどきはらはらを楽しめるかもしれないが、自分の性格を考えれば、自分なりのスタンスを持つことが長続きの秘訣だと思えたのである。

アドバイスカードも、現状と同じ「斎宮」。紙媒体の時代に比べて、圧倒的に早く簡単にコミュニケーションできるようになった。情報伝達の力は大きいが、切り取りも加工も削除も簡単。そんなお手軽さに便乗して、自分の言葉が薄っぺらになるのは避けたいと願ってきたHさんに、タロットの助言は、「その関わり方でいいのですよ」だった。おかげで、自分のやり方に迷いがなくなった。

前回のケーススタディ

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