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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第395回 大切に保管してきた亡き母の衣類を、整理してもよいか。

  Q Fさんの実家には、15年前に他界した母の衣類が、そのままにしてある。闘病中のパジャマや洋服は、頑張っていた母の思い出であり、忘れたくない気持ちが強かったので、ずっと大切に保管してきたのだ。数年前に実家を離れたFさんと妹は、都内で暮らしながら、実家で一人暮らしをする父親の様子伺いをしてきたが、実家との往復を重ねるうちに、そろそろ実家にある母の衣類など昔の物を整理したほうがいいのではと、思うようになった。今のところ実家で暮らしている年老いた父親に何かあれば、Fさんが対応しなければならなくなる。今後の人生に備えるためにも、母の物を整理していいか、タロットに相談することにした。

                                                                                                                                                                                                                            C・Fさん 40代 東京

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「宙吊り」である。Fさんは、カードを見るなり、自分であると思った。これまでは、「かけがえのない母のものだから、ずっと大切に保管していたい、処分するのは悪い気がする」と思ってきた。でも、母が他界してから、相当な時間が経過し、残された家族も、次の人生の節目にさしかかろうとしている。Fさんは、「そろそろ整理することを考えてはどうか」と言われているように思った。 (2)経緯
  経緯   現状
②経緯には「悪魔」Rが出た。Fさんは、母と自分たちは、三姉妹のように仲が良かったことを思い出した。母の存在はあまりも大きかったので、忘れたくなかった。だから、生前、母がよく着ていた洋服を見て、楽しかった思い出に浸ったり、闘病中に来ていたパジャマを見て、頑張っていた母の姿やその時の会話を思い出したりしてきた。これまでは、それがいいと思ってやってきたことであるが、Fさんは、カードが逆向きであるのを見て、過去の思い出に浸るばかりで、こだわり過ぎだったのかもしれないことに気づいた。 (3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「星」となった。Fさんは、ひざまずいて、壺に入っていたものを泉に流す女性が、片付けをしている自分に見えた。その自分を、天上でキラキラ輝く星が、見守っているかのようだ。真ん中でひときわ大きく輝く星は、きっと亡き母。であるならば、その大きな星を取り囲む星々は、Fさんが宝物のように大切にしてきた母の衣類かもしれない。Fさんは、星々を見て悲しい感じがせず、亡き母が、「これまで大切に保管してきてくれてありがとう。気持ちは十分もらったから、そろそろ手放していいのよ」と、優しく語りかけてくれたように思った。 (4)
   経緯    現状    展望
    (4)
④「悪魔」Rの対策カードは「皇帝」。母亡き後、家族の中で皇帝の役割を担ってきたのは、Fさん本人であることから、自分が中心になって片付けの段取りをつけ、徐々に実行していくのがよいと思った。 (5)
   経緯    現状    展望
     (5)     (4)
⑤「皇帝」の注目カードは「13」が出た。鎌を持った人物が、片付けをすることで、過去の思い出の中で生きる人生から、新しい未来を生きる人生に踏み出しなさいと、言っている。亡き母の言葉でもあるのだろう。母は、家族がたくましく前を向いて生きていくことを願っているのだと思えた。そう思い至ると、これまでの複雑な思いが吹っ切れた。 アドバイスカードは「愚者」。Fさんは、意気揚々と新しい旅を始める姿をみて、心強く感じた。空色の霊性の犬は母に違いない。愚者の自分に母が寄り添っていてくれるように見える。パジャマや洋服など物質での繋がりより、魂の繫がりのほうが、ずっと強く一体感があることが、ここにきて納得できた。Fさんは、自分が求めていたのはこれだと思った。心置きなく、ありがとうの感謝の気持ちで母の物を整理していこうと決意できた。 前回のケーススタディ (第201回~最新号) (第82回~第200回)