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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第392回 慢性睡眠不足のライフスタイルを改善したいのだが・・・。

  Q

Sさんは、外資系の会社で、集中力を必要とする仕事を担当しているので、日頃から体調管理が重要だ。睡眠時間がたっぷりとれていると体調も気分もよいので、朝早い起床時間から逆算すると、午後9時半ころに就寝するのが理想的なのだが、現実はほとんどできていない。家のことや、家族のことをあれこれしているうちに遅くなってしまい、朝になるといつも後悔している。家事も家族の世話も好きでやっているが、睡眠不足のまま、頑張り続けるライフスタイルは、そろそろきつくなっている。どこをどう見直すと、睡眠不足解消につながるだろうか。タロットで解決の糸口を探ることにした。

                                                                                                                                                                                                                           M・Sさん 50代 神奈川

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「隠者」である。Sさんはランタンに注目した。隠者は、ランタンを高く掲げ、誰かに合図を送って知らせているように見える。ふっと自分の子供たちのことが浮かんだ。フルタイムの仕事をしながら子育てをしてきた母親の大変さを身近で見て来たからか、子供たちは自立心がある。本来なら喜ばしいのだろうが、親として一抹の寂しさもあり、ついつい世話を焼いてしまう。Sさんは、カードを見ているうちに、大きくなった子供たち(19歳と17歳)に自分がすべきことは、隠者のように人生の道を照らしていくこと、生き方のヒントになるような教えを伝えていくことなのではないかと思えてきた。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「悪魔」R。3人の人物は、一緒に暮らす2人の子供たちと母親のSさんだ。カードは逆向きで、Sさんは、やはり自分のもとに子供たちを引き寄せすぎていたと反省した。小悪魔が中央の悪魔を見上げていることから、嫌がってはいないようだ。ひょっとしたら、子供たちの方が、過剰に世話を焼きたがる親を気遣って、合わせていたのかもしれない。Sさんは、これまでを振り返りながら、子供への愛情のつもりでやって来たことの中には、お節介もけっこうあったことに気づいた。子供たちとは、縛りつけるような窮屈な関係ではなく、もっとおおらかな信頼の絆でつながっていたい。そのためには、手出しを減らすことが必要なのだろうと思った。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望には「力」Rが出た。ここでも、Sさんは、経緯と同じ課題を感じた。子供たちはもう何でも自分でできるのに、世話をしたい自分がいる。子供たちへの気持ちが溢れるままに手を出しているのだ。だから、蜂に象徴される智慧を見失う。きっとやりすぎが、自分の睡眠時間を削ってしまっているのだろう。Sさんは、この悪循環から出なければと思った。

(4)
   経緯    現状    展望
    (4)
④「悪魔」Rの対策カードは「女帝」である。翼のような玉座にゆったり座る女帝を見て、Sさんは、これが自分のあるべき姿なのだと、はっとした。心に翼を持って、自分がもっと自由になること、それは、子どもにも同じように、自由にさせてみることである。子どもの年齢を考えれば、自然なことであるし、いつまでも籠の中の鳥であっていいはずがない。Sさんは、もっと子どもを信頼しようと思った。自分もきっと余裕が持てるようになるだろう。

(5)
   経緯    現状    展望
 
    (4)      (5)
⑤「女帝」の注目カードは「斎宮」。一緒に暮らす実母だろうか。Sさんは、母との関係も良好であるが、責任感のあるSさんは、家事や家族のことはできるだけ自分が行い、母親をそっとしてきた。女帝と斎宮は見つめ合っているので、母親に自分の気持ちを率直に伝えてみるなら、母親も喜んで協力してくれそうだ。

(6)
   経緯    現状    展望
   
    (4)     (5)      (6)
⑥「力」Rの対策カードは「審判」が出た。Sさんは、広大な世界に向かって立ち上がろうとする子どもを、左側にいる母親が見守っている絵柄を見て、自立した人間への成長を助けるのが自分の役割であると自覚した。可愛いからといって、子供たちに手を出し過ぎて、小さな世界に閉じ込めてしまってはいけないのだ。この部分を見直し、子供たちにやり過ぎていたと思うことや自分の希望を話してみようと思った。そうすれば、家庭ですることが大幅に減り、自らも睡眠不足からも抜け出せるに違いない。

アドバイスカードは「13」。絵柄から、これまでのやり方をすっかり変えていくのが良いとわかる。これまで、仕事も家庭も子育ても、自分なりに一生懸命、全力で取り組んできたが、これを機に、もっと大きな視点から見直すことで、子供も自分も一回り大きく成長していきたいと思った。タロットを展開したことで、思ってもみなかった気づきを得ることができ、タロットの奥深さを経験する貴重な機会となった。

前回のケーススタディ

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(第82回~第200回)