イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

Q H氏が勤める会社では、コロナ禍が業績を直撃し、いくつかの部署を縮小している。それに伴い、配属先の異動打診や希望退職者募集も始まり、職場の雰囲気はピリピリしている。会社が、コロナ禍以前とは、全く次元が違う困難に直面し、綱渡りのような状況が続くことは、H氏の立場でもよくわかった。今後、自分の雇用問題も出てきたら？と考えると、不安が襲ってくる。そんな時に、H氏の苦境を知った友人が、自分の勤める生命保険会社への転職を勧めてくれた。そして、なんと自分の上司との審査面談まで設定してくれたのである。思ってもみなかった展開にとまどったH氏であるが、友人の顔を立てるために、面談にだけは行った。H氏の意に反して、面談の印象がよかったらしく、友人はますます熱心に入社を勧めてくれるが、家族や親友は、この転職話に否定的で、H氏の心は揺れ動くばかりである。どう決断するのがよいか、心を整理するために、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                       　J・H氏　40代　埼玉

A

(1)現状

現状

①現状に出たのは「世界」Rである。H氏には、中央の人物に注がれる周囲の眼差しが、批判的に感じられた。家族や親友が、今回の転職話に否定的なことをあらわしているのだと、すぐわかった。H氏は、円満な人間関係を常々大切にしているので、身近な人、とりわけ両親の意見は、軽く聞き流すことができない。周囲が、賛同も、後押しもしてくれないことを、自分一人で押し通すことは、性格的にできないのである。カードが逆向きであるのを見て、H氏は、心がなびきかけた今回の転職話を、なぜ素直に喜べないのか、腑に落ちるものがあった。

(2)経緯

経緯	現状

②経緯は「太陽」R。友人に誘われて生命保険の会社に赴き、話を聞いたり適性審査などを受けたりした場面だ。とんとん拍子で進んでしまった話で、半ば友人の顔を立てるために行ったが、本心はあまり乗り気でなかった。H氏が申し訳ないと思うほど、熱心に勧誘してもらったが、逆向きで出たカードは、H氏の本音を浮き彫りにしている。生命力がみなぎる太陽は、生命保険のイメージとも重なるので、カードの逆向きが、自分の入社先ではないことを示唆しているように見えた。

(3)展望

経緯	現状	展望

③展望には「宙吊り」が出た。H氏は、「おろおろして転職など考えず、今の職場に留まりなさい。心を落ち着けて、事態をしっかり見なさい」と言われた気がした。H氏はハッとした。そうだった。不安になった時に、まずすべきは、冷静に判断できる自分を取り戻すこと、平静になることだ。慌てて、やみくもに手を出すことではない。

(4)

経緯	現状	展望
	(4)

④「世界」Rの対策カードは「悪魔」で、H氏がこれまで仕事に関する質問をすると、よく出たカードでもある。真ん中にいる悪魔が社長、下にいるのが自分たち従業員。厳しい経営状況や人間関係のストレスなど、従業員として不安や不満があっても、今の会社に留まるべきだと思った。小悪魔が悪魔を仰ぎ、忠誠心を誓っているように見えることから、会社が苦しい時は、社長にのしかかる重圧の大変さを思いやることも大切と反省した。社長には、これまで散々お世話になり、育ててもらってきたのだから。

(5)

経緯	現状	展望
(5)	(4)

⑤「太陽」Rの対策カードに出たのは「女帝」である。H氏の会社は、婦人服のデザインから販売までを手掛けているので、まさに「女帝」に関わる分野の仕事である。自分がすべき仕事は、これなのだと納得した。振り返れば、この仕事をしたくて大学卒業後に、専門学校に入りなおし、遠回りして自ら選んだ業種なのだ。苦しい・不安だからと言って、背を向けて逃げてしまったら、きっと後悔するに違いない。こんな時こそ、自分を鼓舞して頑張るべきなのだと、心の底から思った。

アドバイスカードは「正義」。H氏は、正義の女神の、正面をまっすぐ見る目に注目した。「厳しくとも今の仕事に立ち向かいなさい」と叱咤激励されたようで、目が覚める思いがした。心を入れ替えて、仕事に励もうと、心が決まった。

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