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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第356回 本業に加えて、次にやるとしたら、どの企画案がいいか。

Q Y氏は、本業で営業職に就いている。社内での成績はよいが、将来を見据えて、新しいことに挑戦し、自分の活動分野を広げようとしている。会社の方針が寛容なことも追い風になっている。現在、Y氏は新しい分野として、3つの候補:Webサイト作成、営業セミナー、精神世界系のセミナーを考えている。いずれも自分の強みやこれまでの経験が活かすことができ、それなりの魅力を感じている。しかし、やるからには成功させたい。そのためにはあれこれ手を出すのではなく、どれかに絞る必要がある。どれに絞るとよいのか、決断のためにタロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                        T・Y氏 30代 東京

A

(1)現状
現状
①現状は「仕事師」が正立で出た。テーブルの上に道具を並べて熱心に仕事しているようだが、視線は別のものに注がれている。Y氏には、本業をしながら、合間に何かをしている姿に見える。カードは正立なので、仕事を掛け持ちする方向性は間違っていないと思った。

(2)経緯
経緯 現状
経緯は「月」の正立である。Y氏は、月の憂いを帯びた顔に注目した。何かに悩んでいるような印象を受けた。下に描かれる3つの生き物は、Y氏が考えている3つ候補を象徴しているようでもある。月を見上げて吠える肌色の犬が営業セミナー、同じようにしている空色の犬が精神世界系のセミナー、水面にいるザリガニはWebサイト作成と、3つの選択肢とイメージが重なって見える。Y氏は、絵柄に納得しながら、やはり自分は、本業一筋ではなく、他に何か探したいという気持ちが強いのだと思った。「月」も正立なので、Y氏は、タロットからの応援を感じた。

(3)展望
経緯 現状 展望
展望も「節制」が正立。Y氏は、節制の天使の慈愛に満ちた表情と羽に目をやった。どこにでも駆けつけて、苦しんでいる人に手を差し伸べようとする救済者の姿を見て、Y氏は、自分がすべきは、これだと思った。Y氏自身、さまざまな困難や苦しみを抱え克服してきた経験があるので、実体験をもとに、同じような境遇にいる人の力になれる確信がある。2つの壺の流れが、いささかの漏れもなく注がれている様子も、Y氏のこの思いを強めてくれた。Y氏は、精神世界系のセミナーに的を絞ろうと心が決まった。自分が求めているのは、副次的な収益ではなく、精神的なやりがいであることも再確認できた。

アドバイスカードは「力」で、少女が叡智の象徴である蜂を見つめながら、猛獣を手なずけている。Y氏は、猛獣は、自分のことかもしれないと思った。弱点や困難を努力で克服してきた自負心溢れる強い自分、いろいろなことに手を出したがる自分、こうした自分を手なずけていけるのが、自分自身の中にある叡智(グノーシス)に違いない。誰かの救済に役立つ行為は、その叡智に気づく道にもなる。本気で取り組んでみようと思った。

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