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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第351回 重篤な病気で入院している叔父と、どう向き合えばよいか。

Q Kさんの叔父(母の弟)は、重度の心臓弁膜症と腹部大動脈瘤を抱え、現在入院している。これまで何度か入退院を繰り返し、病状は深刻なのだが、頼れる身内はKさんとKさんの姉弟しかいない。とりわけ、Kさんは、3人の中で一番叔父と交流があり、家が近いこともあって、叔父からも担当医師からも頼られている。この先、長くは生きられない末期の段階まで来ているのに、叔父にはその自覚がないようだ。Kさんは、担当医師から、家に叔父を迎えられないのなら、その旨をはっきり本人に告げてほしいと言われた。これまで、フルタイムの仕事と幼い子供もいる家庭との両立すら大変だったKさんは、突然降りかかった問題に絶句したが、そうだ、こんな時こそタロットだと思った。叔父との向き合い方を、タロットに聞くことにした。

                                                                                                                                                                                                                        K・Kさん 40代 神奈川

A

(1)現状
現状
①実は、Kさんは、クロスを広げ、慌ただしい日常から聖別された場を作るうちに、落ち着きを取り戻し、叔父に対しては、「できること・できないこと」をはっきり告げようと心が定まってきていた。そこで、タロットには、この決意でよいかを問いかけた。出てきたカードは「審判」であった。Kさんは、自分の決意の後押しを受け、ほっとした。中央の空色の人物が、迷いから抜け出た自分にも、遠からず旅立つことになる叔父にも見えた。Kさんは、「できること・できないこと」を明確にして、叔父に伝えることは、自分にとっても叔父にとっても、迷路からの脱出なるのだと確信できた。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「13」である。Kさんは、前回の叔父の入院以来、突如、叔父から頼られる立場に置かれた日々を振り返った。自分の家族の生活はどうしても守りたい。しかし、困難な状況にある叔父に対して持つべき、人としての思いやりを考えた時、逃げるわけにはいかないとも思った。叔父のことで、精神的にも現実的にも大きな負担を請け負うことになるが、カードが正立であるのを見て、Kさんは、この状況の中には、自己成長の深い学びがあるのだとの思いが深まった。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望には「戦車」。視線は、現状の「審判」に向けられている。率直に「できること・できないこと」を叔父に伝えることは間違っていないのだと、確信が一層強まった。 Kさんが叔父に伝えなければならないことの中には、重大なことが2つあった。1つは、叔父に残された時間は少ないこと、もう1つは、自分の家の現状では、残念ながら叔父を受け入れることができないことである。いずれも、ショックなことばかりである。それを続けざまに伝えるなんて、残酷すぎると思い、Kさんには重荷だった。しかし、「戦車」が正立で出たことで、Kさんは思い直した。事態をあいまいにするより、むしろ進んではっきりさせたほうが、双方に良きものをもたらすようになるのだろう。Kさんは、思い切って決めたようにやってみなさいと、励ましを受けたように感じた。

アドバイスカードは「月」。二軒の家は、Kさんの家と近くにある叔父の家、向き合う2匹の動物は、Kさんと叔父に違いない。叔父は退院したら、また自分の家に戻ることになる。近くに住むKさんは、叔父に残されたひと時の間、できるだけ行き来して、率直に語り、率直に叔父の話を聞き、自分にできる最大限のことをしようと思った。

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