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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第258回 取引先との間で起きたトラブルを今後の糧としたい

最新のケーススタディ 2016年5月10日号 掲載

Q. 新緑豊かな5月。Kさんはゴールデンウィークを自宅でゆったり過ごしながら、この一年を振り返った。ちょうど一年前、事業が危機的状況に陥りかけ、Kさんは事業存続のため奔走していた。取引先に出向いて事情を話し、関係の見直しをお願いする日々が続いた。その後、おおむね話し合いはうまくいったが、一か所だけ見直しに真っ向から異議を唱え、逆に誹謗中傷してきたところがあった。Kさんはびっくりした。信頼関係ができているはずだから話せばわかってくれると思っていたのに、相手方の対応は歩み寄りや話し合いとは程遠く無理な要求を繰り返すのみであった。その結果、法律の専門家の協力も得て、やっと解決のめどが立ってきた。Kさんは、ゴールデンウィークにぼろぼろになった心身を休めながら、もう二度と今回のようなトラブルはご免だと思った。非常に傷つく事件であったが、今後みんなと信頼して気持ちよく仕事をしていくために、教訓を学ぶことも大切と思い、タロットを展開することにした。

S・Kさん 50代 東京

A.(1)

現状

現状は「悪魔」が出た。小悪魔が中央の悪魔に忠誠を誓うかのように、悪魔のほうを見て直立不動でいる姿が、Kさんの目に飛び込んできた。絵柄からは人間関係の一体感が感じられる。しかしよく見ると、小悪魔は中央の悪魔を見上げているが、手は後ろに隠しているし、小悪魔の首にかかっているロープも非常に緩い。Kさんはこの有様から、仕事の上での人間関係の築き方は、相手の手の内に干渉し過ぎず放任し過ぎず、ロープは締めすぎず緩すぎずの加減が大切であると思った。頭ではわかっているつもりでも、仕事への使命感から、相手もその思いを共有してくれているはずと思い込み、過度な期待をしたり、相手を過信して必要以上に寄りかかたりしてしまう。Kさんは、自分が遭遇したトラブルも、過信、任せすぎの放任が原因の一つだったのではないかと思った。

(2)
経緯 現状

経緯は「愚者」である。事業を立て直すためにあちこち奔走してきたKさんである。心の中では、10年前の事業を始めた頃のことを思い出していた。最初は何もないところから始め、いつも手探り状態だった。失敗も多かったが、くよくよせずとにかく突き進んだ。その時と比べれば、10年分の経験があるのだから、これを土台にすればいい・・・。奔走で体はくたくただったが、Kさんに悲壮感はなかった。心はすでに未来を向いていたから。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「宙吊り」R。カードを見たKさんは、人を囲う木枠に注目した。こんな囲いがあると、外から中の状況を窺い知ることができないし、いかにも風通しが悪い。事業はチームで一丸となってやるものなのに、それぞれが自分の考えややり方に固執し、風通しが悪いので、仕事はたちまち停滞してしまう。現状の「悪魔」に引き続き、「宙吊り」Rでもロープと手を後ろに隠した姿が出ていることから、放任しない、任せっぱなしで実態が見えないといったことを避けなければならない。Kさんは、自分にはこの点が不足していたと思った。

(4)
経緯 現状 展望
 
(4)

「宙吊り」Rの対策カードは「運命の輪」となった。風通しがよく、組織が円滑に動いていることがわかる。連係プレーやフィードバックもうまくいきそうである。Kさんの役割は、これができているかどうかを見届けることである。そのためには、スフィンクスのように悠然と構え、一段上の視点から全体に目を行き届かせるようにすることが大切。スフィンクスは剣を持っているので、これからのKさんは必要があれば、タイミングを外さずに積極的に指示したり、明確な方針を打ち出すようにするとよい。

アドバイスカードは「教皇」なので、Kさんは伝えるべきはしっかり伝え、聞くべき報告もきちんと受けることを意識的に実践するつもりでいる。「言わなくてもきっとわかってくれるだろう」、「こちらの意向を汲み取った仕事をしてくれるはず」といった思い込みは、ビジネスには厳禁。Kさんは苦い経験を絶対に今後の糧にしようと肝に銘じた。

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