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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第230回 今年こそ、夫婦でお花見に行けるようにしたい。

最新のケーススタディ 2015年3月10日号 掲載

Q. 間もなく、お花見の季節がやってくる。毎年、この時期になると、食事時に夫と「今年こそは、どこかにお花見に行こう」と話すが、たいてい提案だけで、自宅近辺や会社周辺の桜を見るだけで終わってしまうことが多い。時節柄、3月・4月は仕事が忙しいのに加え、Sさんが4月の母親の命日にいつも田舎に帰るので、どうしても過密スケジュールになってしまうのだ。一方、Sさんの夫は、3年前、先に仕事の第一線を退き、現在は嘱託なので、時間はたっぷりある。Sさんは仕方がないと思いつつも、夫の気持ちを考えると心が痛む。夫は不満を口に出すことはないが、心の中では不本意に違いない。Sさんも、毎年こんな過ごし方をする自分に、もう少し考えた方がいいのではと感じるようになった。その反省から、今年こそは、夫の意向を尊重して、絶対にお花見の時間を作り出そうと思っている。うまくいくポイントはどこにあるだろうか。

A・Sさん 50代 東京

A. (1)

 現状
 

「節制」が出た。カードを開いてすぐ、2つの壺を行き交う水の流れが、Sさんの目に留まった。「節制」の天使は一滴もこぼさず、流れを停滞させることなく、実にしなやかに、壺から壺へ水を移し替えている。Sさんは、忙しい時期でも、こんな風にスマートに仕事をこなしたいと思う。無駄なくスムーズにできるのは、「節制」の天使の壺を持つ手がぶれないから。手がぶれないのは、心が落ち着いていて、集中して取り組んでいるからだ。忙しくて時間がないと感じるときほど、「節制」のような心が大切なのだと痛感した。カードは正立なので、Sさんに難しいことではないと言っている。ちょっとした工夫、心の持ち方次第である。

(2)
 経緯 現状
   

経緯の「力」Rの暴れるライオンに手を焼く姿は、これまでのSさんである。Sさんは仕事と格闘して、消耗してきた。格闘するから疲れてしまうのかもしれない。振り返れば、「頑張ってやっているのに、まだ終わらない。」、「これだけはやっておきたいのに・・・、ああ、時間が足りない。」などと心の中の自分が騒ぎ立て、そんな自分に振り回されることもあった。せわしなく仕事をするので、余計に忙しく感じてしまう。カードは逆向きなので、ここに課題があることがわかる。Sさんは、思い当たることが多々あるので、まさに納得の課題である。

(3)
経緯 現状 展望
   

展望は「斎宮」で、本を広げている姿は、Sさんがお花見の行先、日取り、お天気状況、交通手段などを調べている場面である。これまでは、夫との間でお花見や旅行の案が出ても、Sさんが自分で積極的に調べることはなかった。仕事人間のSさんは、行楽を二の次にしてきたからである。でも、今度ばかりは、Sさんが率先して調べ、予定を組むとよいことがわかる。

(4)

(4) 経緯 現状 展望
     

「力」Rの注目カード「教皇」は、Sさんの夫である。時間にゆとりのある夫は、せわしないSさんの状況を理解して、温かく見守っている。「教皇」は手袋をしているので、ひょっとしたら、夫は本心では寂しく、残念に思っているかもしれない。ともあれ、Sさんに背を向けることなく、愚痴もこぼさず見守る姿は、夫の美点といえる。Sさんは、カードを見て、いつまでも「忙しいから」で済ませるのは、夫に悪いと思った。

(5)
(4) 経緯 現状 展望
     
   
(5)

「力」Rの対策カードは「愚者」である。カードは足元の細部にこだわらず、仕事は大局を見てやりなさいと言う。「力」Rと「愚者」の両方に蜂がいるが、「力」Rのように気持ちがせかせかしていると、目の前にいる蜂すら見えなくなってしまう。一方、「愚者」の蜂は背後にいる。大局観を持ち、ゆったりした気持ちでいると、Sさんが本当に必要なことに気づかなければならない時には、背後にいる蜂やお供の犬のように、注意を喚起してくれる何らかの応援を受けやすくなるのではないだろうか。また、「力」Rのような力みを取り外し、「愚者」のようにおおらかで肯定的になれば、仕事の仕方もずっと楽になる。時間の使い方も、メリハリが出てきて、余裕が持てるに違いない。

(6)
(4) 経緯 現状 展望
     
     
(5) (6)

「愚者」の注目カードは「宙吊り」である。逆さになってみると、見え方が変わり、新たな気づきもある。「宙吊り」も、見るべきところを見て、ゆったりしている。こんな状態になると、ざわついた心で消耗することはなくなる。また、ゆったりしているから小さなことで動じなくなる。忙しさでバタバタするより、こういう心の使い方ができる方が、実は仕事もうまく行く。「愚者」「宙吊り」の2枚は、Sさんに忘れかけていた大切なことを思い出させてくれたようだ。

アドバイスカードも「教皇」なので、Sさんは夫の気持ちを思いやり、できるだけ歩み寄ってあげるとよい。ともに過ごす時間はお互いの人生にとってかけがえのないひと時なのだから。Sさん自身にとっても、目の回るような忙しい時期を余裕で乗り切ることができれば、仕事をこなす器量が上がる。Sさんは、この機会を肯定的に捉えていこうと思った。

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