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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第428回 新入社員の定着を向上させるために、何をしたらよいか。

Q

会社経営をするH氏の最近の悩みは、新入社員のことである。H氏の経営する会社は、求職者にとって魅力があるようで、入社を希望する人は多い。面接時には新入社員は希望にあふれ、会社側は期待を膨らませて採用するのだが、数か月もすると辞めてしまう社員が多いのである。H氏は、日頃から積極的にコミュニケーションをとるよう心掛け、社員と共に成長し、社会に多くを還元していきたいと願っているだけに、この事態に愕然とし、心を痛めている。自分のめざす理念に共感し、一緒に理念の現実化をしていきたいと思ってくれる人、腰を据えて働きたいと思ってくれる人に来てもらうためにどうすればよいか、タロットに助言を仰ぐことにした。

                                                                                                                                                                                                                           T・H氏 50代 千葉

A

(1)現状
現状
①現状に出たのは「仕事師」Rである。H氏には一目瞭然で、しばらくすると辞めてしまう新入社員のことだ。いざ仕事を始めても、目移りするものが多くあるために、直ぐに見切りをつけてしまうのか、周囲の視線や評価が気になって心がぐらつくのか、原因はいろいろあるに違いないが、逆向きカードは、現状をよくあらわしている。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯の「神の家」はH氏の経営する会社をあらわしている。レンガがしっかりと積みあがっていることから、H氏はこれまで堅実に会社を経営し、安定した業績をあげてきたことがわかる。しかし、実はH氏のめざすところはもっと先にある。H氏は社会貢献できる会社、「神の家」のように天上からエネルギーが注ぎ込まれ、天から祝福を受けるような会社を、社員とともに作り上げていきたいのである。カードは正立なので、タロットはH氏がこうした崇高な理念を持って会社経営に取り組んでいることを後押ししていると言える。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「女帝」である。翼のように見える玉座や翼を上に広げる鷲から、女帝の心は天上に向けられているようだ。女帝の澄んだ青い目は輝いて見えるが、それは、天上的な美しさに満ちた世界を見ているからかもしれない。H氏は、理念・理想を分かち合える人材を引き寄せる秘訣がここにあるように思えた。

(4)
経緯 現状 展望
 
    (4)
④「仕事師」Rの対策カードは「節制」が出た。節制の天使の表情は慈悲深く穏やかで、見るからに苦しむ人の救済者である。青い目は、人の心の深部を見抜く視力を持っていることをうかがわせる。壺の扱いが見事で、水がこぼれることなく行き交っている様子は、まるでお互いの思いがしっくり通じ合う人間同士のやり取りのようだ。H氏は、コミュニケーションの在り方で思うところがあった。節制の天使のように、言葉というよりはもっと思いが伝わる工夫をすることが大切なのではないかと思ったのだ。今まで以上に、「心が伝わるやり取り」、「心に深く響く働きかけ」に力点を置こうと思った。

(5)
経緯 現状 展望
   
    (5)     (4)
⑤「節制」の注目カードは「13」で、すぐ辞めようとする新入社員のことだろうか。些細なことで傷ついたり、自信や意欲が壊れてしまうのだろうか。新しいことに挑戦するには覚悟が問われたり、自分の弱さと戦ったりする必要があるが、そうすることは辛いことで、できれば避けたいと思ってしまうのかもしれない。そうした若者の心の襞(ひだ)に思いを致すことも役立つように思った。これまでの会社経営では経験することのなかった世代を理解し、新世代の社員とともに会社を作り上げていけるなら、道は開けるのではないだろうか。

(6)
経緯 現状 展望 (6)
   
    (5)     (4)
⑥「女帝」の注目カードは「星」で、女帝の視線は天上できらきら輝く星に向けられている。人々が仰ぎ見る星、その星は揺るぎなく天に位置している。星はH氏が目指す会社の理想像をあらわしているとも言える。このイメージを明確に、思いを注いで提示していくなら、絵柄が示すように、きっと実りの時を迎えるに違いない。

アドバイスカードは「審判」。ここでも天使が登場する。天使がラッパを吹くと、それに気づいて呼応する人が描かれている。H氏は、思いが伝わる表現で理念を語っていこうと心を決めた。やがて、H氏の伝えんとすることをしっかり受け止め、応えようとする人が現れると確信できた。

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