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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第298回 念願の事務所がオープン。注意すべき点は何か

Q. タロットやアロマ、アストロロジーを学んできたMさんは、個人セッションを行なったり、ワークショップ・講座を開催したりしている。この仕事ができる喜びは大きいが、会場探しはいつも悩みの種で、Mさんは早く自分の事務所を持ちたいと思っていた。そして、昨秋、やっとその願いを叶えることができた。自分の希望にぴったりの部屋が見つかったのである。家族の協力も得て、着々と準備が進み、来月いよいよオープンする。オープンの日が近づくにつれ、Mさんは「念願の事務所が持てたのだから、どんどん積極的にやっていくわ」と意気込む反面、「ビジネスの経験が全くない自分が、ちゃんとやっていけるのかしら」と不安もよぎる。そこで、タロットを展開して、注意すべき点を見ることにした。

A・Mさん 40代 神奈川

A.

(1)

現状

現状はずばり、アストロロジーを意味する「星」である。カードを開くなり、Mさんは天の中央にある大きな星に注目した。輝く星は、Mさんが掲げてきた目標(自分の事務所を持って仕事を始めること)をあらわしている。事務所が決まったMさんは、目標達成に向け大きく前進できた喜びをかみしめ、仕事に全身全霊を注ぐつもりでいる。絵柄からは、Mさんのあふれる思いが伝わってくる。Mさんは、今のこの心持ちが大切なのだと実感した。

(2)

経緯 現状

経緯は「月」Rが出た。暗がりで犬が吠え立てる様子は、不安をかきたてる。Mさんは、これまでの自分の心の中を見る思いがした。「自分の事務所なら、自由にいろいろなことができる。やりたかったことがたくさんあるわ」と気持ちが大きく膨らむこともあれば、「長らく専業主婦の自分は、何かあるとすぐ動揺して不安になるけれど、本当にうまくやっていけるのかしら?」と、すぐ後ろ向きになる。自分でもあきれるくらい心の中が不安定だと思う。カードは逆向きなので、自分の課題である。心の中で積極的な自分と弱気な自分が繰り広げる葛藤が、不安を引き起こしていることに気づいた。

(3)

経緯 現状 展望

展望は「愚者」R。せっかく事務所を持てたのに、喜びも束の間、また自分の中の弱虫が出てきそうだ。Mさんは、自分の性格から、問題点が容易に想像できた。夢も希望も一杯あって、意気揚々と踏み出していこうとするのに、いざとなるとその一歩が出せない、些末なことに気を取られて、純粋な気持ちで目標を見つめられなくなる、・・・など。いつも課題になる点で、改めて問題はここかと思う。今度ばかりは、何とか解決したい。

(4)

経緯 現状 展望
(4)

「月」Rの対策カード「太陽」には、来てくれた人を温かく迎え入れるシーンが描かれている。余分なことは考えず、まずは、目前の来客ひとりひとりに丁寧に接していくこと、これに専念すれば、不安が入り込む余地を、徐々になくしていけそうだ。

(5)

経緯 現状 展望
(4) (5)

「愚者」Rの対策カードは「節制」である。一滴もこぼさないように二つの壺を慎重に操る天使の姿を見て、焦らずゆっくりでもいいからやり続けることが大切だと思った。もともとMさんは、この世の成功や繁栄を目指して、今の仕事を始めたわけではない。ずっと人々の魂の糧として受け継がれてきたものを、縁のある人に分かち合っていきたいと願ってのことである。自分の原点を忘れないようにしよう。

(6)

経緯 現状 展望
 (4) (6)  (5)

節制」の注目カード「教皇」も、Mさんはピンとくる。脈々と伝えられてきた智慧の伝統を、必要とする人に伝える様子は、まさにMさんがしようとしていることである。これまでは、不安になるとつい饒舌になり、おしゃべりになってしまうこともあったので、教皇の姿はしっかり焼き付けておきたい。教皇」「節制」の2枚を見て、Mさんはふと思った。「幸い、自分には同じ道の仲間がいる。一人で頑張ろうとするのではなく、仲間との交流を大切にしていこう。これまで、仲間の存在にどれだけ助けられたかしれない。これからもきっとそうだ」

アドバイスカードは「13」。Mさんは、事務所オープンで、自分の人生の変容のチャンスがいただけたのだと思っている。滅多に与えられないチャンス、小さな自分にとらわれてつぶしたくない。自分の原点を心に刻んでやっていこうと思った

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