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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第291回 険悪な姉との関係をなんとか修復したい。

Kさんには、5歳年上の姉と5歳年下の弟がいる。以前から、姉とぶつかることはあったが、姉が中心になって田舎に一人で住む病気の父の世話をする頃から関係がこじれ、一年前に父が亡くなってからは、ますます険悪になっている。姉は何かとKさんや弟を暴言で傷つけ、Kさんが距離を縮めるための試みをしても、きつい言葉とともにはねつけられるだけだった。姉とはもう関わりたくないと思う一方で、家に閉じこもりがちな姉の生活も心配で、家族として仲良くしていきたいとの思いもある。姉との関係をどう修復したらよいか。

T・Kさん 40代 神奈川

A.

(1)
現状

現状は「悪魔」Rが出た。カードは3人の関係を如実にあらわしている。中央の大悪魔は、心が壊れかけた姉、繋がれて言いなりになっているのが、Kさんと弟である。大悪魔の顔色を伺いながら、手を後ろに隠している様子を見て、Kさんは腫れ物に触るかのように用心深く接する自分と弟の現状そのままであると思った。カードは逆向きなので、やはり何とかしなければならない。

(2)
経緯 現状

経緯の「愚者」は、姉に違いない。姉は、これまで自由に好きな絵画の世界で生きてきた。ご主人も学校で美術の先生をしており、同じ世界に生きる姉の活動に理解があるのだろう。ご主人の理解を得て、美術系の大学で講師を務めたり、絵を描いたりしてきた姉は、OLをしながら子育て中のKさんから見れば、まさに自由人の典型である。カードは正立なので、姉自身は、自分の行為がKさんや弟を傷つけ、関係を阻害しているとは思っていないようだ。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「審判」R。Kさんは、カードの絵柄から、天に旅立った父親が、仲良くできず迷路にはまり込んでしまった3人の姉弟を、心配そうに見ている光景を思い浮かべた。何故か、逆さになった空色の人物が、墓から抜け落ちてしまいそうに見える。父亡き後、家や墓をどう守っていくかの問題を示唆しているのであろうか。3人が協力して話し合っていかなければならないのに、建設的な話し合いなど、とてもできそうにないから、確かに問題である。しばらくはつらい状況が続きそうだ。

(4)
経緯 現状 展望
(4)

現状の対策カードは「太陽」である。Kさんは、明るい太陽のもとで再会を喜び合う二人は誰のこと?ひょっとして自分と姉のこと?と、信じられない思いでカードを見た。今のKさんには、姉から投げつけられた数々の暴言の傷がまだ残っているので、すぐに仲良くは絶対に無理である。カードはそんなKさんに、まず自分の心の中で、白い石の上に立つ人物が、おぼつかない様子の人物を迎え入れているように、姉の心の内を思いやり、病床の父への献身を労い、共感することから始めてみてはどうかと勧める。タロットやアストロロジーを長く学んできたKさんに、こんな時こそ智慧を活かしなさいと激励しているかのようだ。

(5)

経緯 現状 展望
(4) (5)

「審判」Rの対策カード「力」から、Kさんは、猛獣のような姉を手なずける自分の姿であると思いつつ、心のどこかで、姉に何かすれば、絶対に噛みつかれ、手を食いちぎられてしまうと恐れている。Kさんの姉への恐怖心は半端ではない。カードは、Kさんに実際の姉を手なずけようとする前に、先に心の中に巣くう姉への恐怖心、否定的な思いを手なずける必要があると諭す。

(6)

経緯 現状 展望
(4) (5) (6)

「力」の注目カード「隠者」を見るなり、Kさんは他界した父だと思った。そういえば、父の一周忌で3人がそろって父に手を合わせたことで、姉も心が落ち着くのを感じたと言っていた。思いがけないことだったが、5歳年上の姉にとっての父の存在の大きさと喪失感は、Kさんの想像をはるかに超えるものなのだろう。Kさんは、これから、積極的に法事など、父にまつわる事柄を介して、父の助力を得ながら、姉との関係を修復していくのが、一番良い方法であると納得した。

アドバイスカードは「13」。Kさんは、父の弔いを続けていくことが、姉との関係改善の鍵になるように思えた。母が早くに亡くなり、闘病生活をしていた父も旅立った。Kさんの気づかないところで、姉は頑張ってきたに違いない。リーディングを機会に、Kさんも、過去の出来事を引きずらず、姉との関係再生に向けて踏み出していく気になった。

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