本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第242回 企画に責任がある。休暇をとってもよいか

最新のケーススタディ 2015年9月10日号 掲載

Q. Fさんは、今年に入って、新しい企画の責任者を任された。小さな会社なので、昇進を意味するわけではないが、それまでの功績と信頼からFさんに託されたのである。Fさんは、この出来事を光栄に思い、企画の実現に向け、何か月も全力疾走してきた。ゴールデンウィークなし、お盆休みほぼなし、シルバーウィークなしの強行軍であった。まだまだ忙しい日々は続くが、あと1か月くらい頑張れば、大きな山場を越えられそうなところまできた。Fさんは、先が見えてきたことでほっとしたせいか、これまでの心身の疲れも一気に感じている。山場を越えたら、一度休憩をとってリフレッシュし、その後に備えた方がいいのではと思う一方、休暇はやり遂げた後の楽しみにして、頑張り抜けと叱咤激励するもう一人の自分もいる。従来のFさんなら、迷わず後者だったが、今回は企画の責任者なので、万全を期すため、タロットの助言を求めることにした。

K・Fさん 50代 東京

A. (1)

現状

現状の「愚者」を見た途端、Fさんは、今の自分に一番必要なのは、「愚者」のように、足取りが軽く、前途洋々とした境地でいることだと思った。企画が実現に向けて動き出したことで、Fさんの心は明るい。しかし、何か月も苦しい時期を過ごしてきたせいか、疲れが噴き出している。「愚者」は、この心身の疲れを癒すには、どこかに出かけのんびりすることだと、Fさんを諭す。張りつめたままだと柔軟性が失われ、最後の仕上げの時期に、力が発揮できなくなってしまう。スケジュールなどに縛られず、気の向くままにゆったり過ごすことで、心身の緊張がほどけ、英気を養うことができるだろう。

(2)
経緯 現状

経緯の「女帝」Rは、これまで苦闘してきたFさんである。企画の責任者を任されてから、Fさんは、いろいろなアイデアを練って、必死に取り組んできた。関係者に働きかけたり、相談したり、協力を仰いだり、・・・。任された当初は、すんなり行くと思っていた。実際にやり始めると、思い描いていたのと大違いで、何度もアイデアの練り直し、仕切り直しを強いられた。現実は本当に厳しかった。逆向きカードから、Fさんが、切羽詰まった状況を過ごしてきたことがわかる。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「愚者」Rである。実は、Tさんは、上司とのトラブルを減らすために、会社で仕事をする代わりに、SOHOで仕事をして、パソコンからデータを送る方法を、会社に打診するつもりでいた。通勤に2時間かかるのもきつい。逆向きの「愚者」は、「もう会社には行きたくない。上司の顔を見たくない。」と拒絶するTさんの姿である。心が拒絶しているから、上司の一挙一動にイライラする。「愚者」のように、服が破れていても気にしないほどのおおらかさを、上司に対して持つことなど、とうてい無理だと思う。カードは逆向きなので、Tさんのこうした姿勢にも問題がありそうである。

(4)

(4) 経緯 現状 展望

「女帝」Rの注目カードは「悪魔」Rが出た。このカードも、これまでの苦闘を思い起こさせる。商談に行っても、零細企業であることがわかると、担当者から見下されて、相手にされなかったり、資金面で折り合わず、話だけで終わったりすることも多かった。Fさん側に不利に働く条件が絡みついて、身動きできなくなることが何度もあった。同僚に言えないストレスも、半端ではなかった。

(5)
(4) 経緯 現状 展望
(5)

「悪魔」Rの対策カードは「13」である。大きな鎌を持つ「13」は、これまでFさんにまとわりついてがんじがらめにしてきた、つらかった体験や体の疲れを、早く一掃しなさいと、進言している。せっかく実現に向けて動き始めたのだ。いつまでも、身動きできない小悪魔でいると、疲れ果てた状態で、最後の肝心な時を迎えることになるかもしれない。やはり、一度リフレッシュした方がいいのだ。心のどこかで、今回はひと息ついた方がいいと考えていたFさんも、カードを見て納得する。

(6)
(4) 経緯 現状 展望
(5) (6)

「13」の注目カード兼「愚者」Rの対策カードは「恋人」である。Tさんの職場の人たちだ。周りの人たちは、上司の状況や、Tさんが上司との間でトラブルを抱えていることを知っている。気にして、Tさんに声をかけてくれる人もいる。タロットは、Tさんに、そういう人の協力を得ることを勧める。そういえば、社内で食事に誘われたり、気遣った言葉をかけられたりすることが多くなったように思う。Tさんは、周囲の人たちは自分のことを心配してくれていたことに気づいた。Tさんは、カードから、一人で上司の問題を抱え込むのではなく、同僚との交流をもっと積極的にすれば、希望が見えてくるように思えた。

アドバイスカードは「戦車」で、旅に出かける姿である。意気揚々と企画の最後の仕上げに取り組むFさん自身の姿にも見える。Fさんの迷いは消えた。山場が越えたら、リフレッシュ休暇を取ろう。紅葉を楽しむのもいいし、秋の味覚を味わうのもいい。しっかり充電して、仕上げの時期に備えることにした。

 前のケーススタディへ

バックナンバー


(第201回~最新号)

(第82回~第200回)