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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

ケーススタディ205

最新のケーススタディ 2014年2月25日号 掲載

Q.Aさん夫婦は、小さな会社を経営している。数年前までは夫が代表を務めていたが、夫のTさんは思うところあって、妻のEさんに代表を譲り、その上でより自由な立場から会社の運営に関わるようにしてきた。主婦の延長のようなEさんと経験豊かな男のTさんでは、発想も仕事の進め方も正反対で、しばしば衝突する。夫のTさんはアイデア先行型、いつもその余波を受けてきたEさんは、当然のことながら堅実派。先日も大きく対立したが、二人とも冷静になって問題点を話し合うことで、今後の方針がまとまった。Tさんは、自分から代表を譲ると言っておきながら、現場で一番苦労するEさんの気持ちが分かっていなかったことを反省。もっと建設的なフォローをすると妻のEさんに約束した。Eさんは泥臭くても、自分のやり方を大切にしていきたいと思っている。夫の協力を得て、うまくやって行けるだろうか。

                             E・Aん 50代 東京    
A.(1)

 現状
 

自分の目の前を飛ぶ蜂を見つめる「力」の少女は、Eさんである。Eさんは経営者としては、まさにか弱い少女と同じである。周囲から見れば、経営者の力量が本当にあるのかと訝しく思われそうなくらい、経営では常識とされるセオリーを知らない。夫から見ても心もとない。でも、Eさんは、自分が持って生まれた資質を活かして仕事に立ち向かおうとしている。自分にしっくりこないやり方で不自然にやっても苦しくなるだけで、うまく行くはずもないからだ。まず、自分の力を最大限発揮できると思えるやり方で挑戦したい。その結果がたとえ凶と出ても、それを受け入れればよいではないかと覚悟を決めている。「力」のカードは正立なので、覚悟を決めたEさんを後押ししている。いわゆるセオリー通りのやり方でなくても、Eさんの挑戦はうまくいくだろう。。

(2)

 経緯 現状
 

経緯の「教皇」は夫のTさんである。時に、会社運営に無知なEさんに助言し、教え、支えてきた。Tさんは形の上で会社の代表を退いたが、実質的には会社運営の要の役割を果たしてきた。Tさんは、教皇が将来を見据えて、枢機卿を教育しているように、事業の将来を考えて、Eさんを育てようとしたことがわかる。カードは正立なので、Tさんの取った行動は会社にとっても、二人にとってもよかったと言える。性格や考え方の違いからの衝突は、ぶつかったときは大喧嘩しても、事業継承という大局から見ればプラスであったのだ。Eさんも衝突を通じて、自分が大きく成長できたことはよくわかる。

(3)  

経緯 現状 展望
   
展望の「神の家」では、大きな建物がしっかり出来上がり、その下では、二人の人物がそれぞれの方を見ている。この二人はもちろんAさん夫婦である。カードの通り、気質も考え方も違う二人。建物はそんな二人が作り上げる会社である。Eさんは、カードを見ているうちに、「違う二人だからこそ、偏らない確かなものが築けるのだ」と、諭されたように感じた。違いからしばしば対立するが、タロットの言う通りかもしれない。Eさんは絵柄から、二人が建設的な関係を築ける可能性があることに確信が持てた。

主婦的発想が抜けないEさんのやり方は、プロの目から見ると、きっと泥臭いだろう。でも、カードは、違う能力を持つ二人が協力すれば、「神の家」のように、ユニークで、堅固なものを作り出せることを示している。Eさんは、元気が出て来た。夫は全面協力するから大丈夫だと言ってくれたものの、Eさんの心のどこかには、無謀な挑戦ではないかとの不安もあった。だから、Eさんは、「神の家」が正立で出たことを素直に喜んだ。

アドバイスカードは「運命の輪」。仕事も二人の関係も、一つの転機を迎え、もう次の新しい流れに乗ったようだ。「運命の輪」という船がうまく進むには、流れに逆らわないことである。Eさんはこの流れをもっと信頼していこうと思えた。

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