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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第377回 険悪な夫との関係に変化の兆しが。今後の指針が欲しい。

Q

Aさんの夫は短気で、かっとなると、言葉遣いが非常に乱暴になる。Aさんへの当たりもきつく、それがもとで喧嘩になったり、Aさんが深く傷つくことも多かった。そうした時期に、参列することになった葬儀会場で、僧侶と会話する機会があり、夫のサイコパスの可能性を指摘された。Aさんは、お話を聞いていて、思い当たることが多く、今後のさまざまなリスクに備えなければと考えるようになった。今年に入ってからは、それまでのパートの仕事を辞め、正社員として働くことも始めた。仕事はやりがいがあり、自分に自信が持てるようになると、夫との関係も以前のような苦しさを感じなくなった。険悪な状態に逆戻りする懸念がないわけではないが、今ではこの問題を乗り切っていけそうな気になっている。夫に対して、これから、どんな心持ちで向き合うとよいだろうか。

                                                                                                                                                                                                                           Y・Aさん 40代 東京

A

(1)現状
現状
①現状には「力」が正立で出た。Aさんの目には、少女が自分で、夫がライオンに見えた。Aさんは、外で正社員として働き始めてから、自分はたくましくなったと感じている。人間力がついて、自分に自信が持てるようになった。辛かった時のことが脳裏にちらついて弱気になりかけることもあるが、今はそれを打ち消すことができる自分がいる。少女が蜂の存在(内在する智慧)に気づいたように、Aさんは、仕事をすることで、自分の中に眠っていた力が引き出されたようだ。ともかくも、絵柄の通り、夫への恐さがなくなった。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「節制」Rである。壺と壺を行き交う水に目をやったAさんは、夫と意思疎通ができない関係がよくあらわれていると思った。実は、Aさんは、心臓に持病があるので、何かあったら、まず誰よりも夫に助けてもらいたいと強く願ってきた。なのに、夫は自分の気持ちをわかってくれない。苦しんでいる時に手を差し伸べてくれない。許せないと思っていた。しかし、心に余裕ができた今、振り返ると、ひょっとしたら、夫は、妻に冷淡にするつもりはなかったのに、妻の気持ちが汲み取れず、何もできなかったのかもしれない、もたついているうちに、(Aさんが)なじるので、夫もかっと来て暴言を吐く、自分の期待通りの夫像を求めすぎて夫を追い詰めてしまったのではないかなど、以前には脳裏に浮かぶことすらなかった視点も見えて来た。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「運命の輪」。Aさんは、「力」の少女の視線が「運命の輪」に向けられている点に着目した。大海に浮かぶ「運命の輪」は、まるで運命共同体の自分たち3人家族が乗っている船をあらわしているようだ。波は穏やかな時ばかりではない。荒れる時も多い。その中を、Aさんが智慧を駆使して、家族の乗る船が無事航海できるように見守っていくなら、転覆しないでうまくやっていけそうに思えた。

(4)
経緯 現状 展望
 
     (4)
④「節制」Rの対策カードは「愚者」である。夫との煮詰まった関係を解決するには、とにかく一歩踏み出すこと。家の中の出来事や限られた人間関係に向けてきた関心を、もっと外の世界に向けることが大切だと思った。実際に、スーパーのパートから、新しい業種の正社員になって働き出したことで人間関係が多様になり、新しい世界が広がった感がある。まさに「愚者」が示唆する行動で、思い切って本当によかったと思う。まだ一歩踏み出したばかりだけど、自分の取るべき方向性は、これでいいと確信できた。

(5)
経緯 現状 展望
     (4)    (5)
⑤「愚者」の注目カードは「仕事師」。テーブルに並べたものを手に取って、楽しそうにしている若者は、自分の本来あるべき姿に見える。Aさんは、カードを見るうちに、新しく始めた仕事を頑張ってみよう、以前熱心にやっていた楽器やハーバリウムを、もう一度やってみるのもいいなあと、次々に閃いてきた。自分から動き出すことで、はつらつとした気持ちも取り戻せるに違いない。

アドバイスカードは「13」である。Aさんは絵柄を見て、鋭利な刃がついた道具は、辛いことや悲しいことですっかり雑草が生え、固くなってしまった自分の心の整備に使うのが一番だと思った。受容性に富んだふかふかの心で夫に向き合っていくようにするなら、戦闘態勢で非常事態に備えるといった緊張関係は要らなくなり、お互いにとって一番いい関係でいられるようになるだろう。そのためにも、豊かな心の開拓を最優先していくことにした。タロットの展開をしたことで、これまでとは打って変わった人生が開ける希望が感じられるようになった。

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