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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第359回 癒しの仕事で行き詰っている。今、自分がすべきことは?

Q Aさんは、現在、タロットやアロマを使った仕事をしている。学ぶことで、何よりも自分自身がずいぶん助けられてきたので、今、自分が人々の手助けができる側に立てるようになったことには、言葉で言いつくせないほどの喜びがある。でも、まだ入り口に立ったばかりで、高く掲げた目標とは裏腹に、自分の未熟さを痛感する日々が続いている。タロットの「愚者」のように前に進んでいるつもりが、気がつけば迷走し、空回りしている。頑張らなければと思う気持ちが強すぎるせいか、どう頑張ればいいのかがわからなくなっている。この苦境から抜け出すために、自分は何をすればよいのか、心を整理するために、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                        M・Aさん 40代 愛知

A

(1)現状
現状
①現状に出たのは「世界」。Aさんの目に飛び込んできたのは、中央の人物だった。片足を上げてステップを踏み、とても楽しそうに見える。このように、楽しく軽やかに生きる人の姿は、Aさんが理想とする人物像であり、Aさんが癒しの仕事で目指しているものである。常日頃から、クライアントさんが、軽やかに人生を歩んでいける手助けになればいいと思って、この仕事をやり始めたAさんは、自分の目標を示すぴったりのカードが、展開の一枚目に正立で出たことに、大いに励まされた。現実の自分は、とても順調と言えず、落ち込んでいるが、自分のやっていることに確信が持てたのである。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「13」で、Aさんは、必死に歯を食いしばって、自分を叱咤激励しながら、前に進もうとしてきた自分であると思った。「13」と「世界」をあわせて見ているうちに、Aさんは、自分が理想とした「世界」を目指して、切磋琢磨してきたこれまでの日々を思い浮かべた。カードが正立であることから、これまでの鍛錬や苦労は自分に必要なものだったと、実感。時に、自分への過度な叱咤激励が、自分を苦しめてしまったこともあったが、総じて、よく頑張ってきたと思う。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望に出たのは、「太陽」Rである。カードに描かれた二人の子どもは、最初、自分とクライアントさんかと思った。しかし、見ているうちに、二人とも自分自身だと思えてきた。いずれにしても、カードが逆向きに出たことには、心当たりがあった。Aさんの仕事は、悩んでいるクライアントさんの手助けをすること。だから、クライアントさん自身が光に向かって行けるような関わり方をすることが、求められる。しかし、実際の自分は、手取り足取りをやりすぎるように思う。手の出し過ぎは、しばしばクライアントさんの成長の機会を奪うからよくないと、わかっているのに・・・。Aさんは、逆向きになったカードを見ながら、目先のことにすぐ反応する現実の自分の方が強くて、高い見地から本質を見通す智慧ある自分が、片隅に追いやられているから、自分の中の二人の関係が逆転して、苦しくなり、うまくいかなくなるのではないかと思った。

(4)
経緯 現状 展望
 
    (4)
④「太陽」Rの対策カードは「宙吊り」で、手を後ろにやって、静かにじっと見つめている姿が印象的だ。Aさんは、クライアントさんに対して、必要なこと以外、手を出さずに見守ることの大切さを思うと同時に、自分も一旦立ち止まって、意識を内側に向ける時間を持ったほうがよいと感じた。目に見える結果を出さなければと、自分を追い立ててきたAさんは、カードの人物から、「あなたの仕事は、自分の内面を静かに充実させ、しっかり充電できている中で行うものです。そのためには、時に立ち止まることも休むことも仕事の一部だと思いなさい。焦ってがむしゃらにやることではないのですよ」と、優しい諭しの言葉を感じ取った。今まで苦手なカードであったが、今回は不思議にも、自分を見守る心強い存在に見えた。

アドバイスカードは「隠者」。Aさんは、隠者が、魂を照らす灯りを自分に向け、もっと内的な探求の旅を続けなさいと、激励しているように感じた。自分の魂が明るくなれば、クライアントさんの魂を照らすことにつながっていく。Aさんは、優先的に内的な時間を持って、自分の魂のエネルギーを補充し、自分を立て直していこうと、心が決まった。

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