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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第350回 業績回復のため社内発信をしたい。どう進めるのがよいか。

Q I氏はアパレルの会社に勤めている。アパレル業界の多くは、時代の変化や厳しい競争にさらされ苦闘しているが、I氏が勤める会社も同様で、苦労している。今年に入って、I氏は社内でとりわけ仲の良いH氏から相談を受けた。H氏は、かつて、経営陣から非常に期待され、会社の中枢部を担ったこともある。期待値が高すぎて十分応えられなかったのか、経営方針変更のためかはわからないが、今では一店舗の店長である。今の仕事が大好きなH氏は、経営状況が厳しい会社の中で、自分から発信したいことがあるが、進め方について、タロットからヒントを得たいと言う。I氏は、H氏の相談を受けて、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                        Y・H氏 40代 静岡

A

(1)現状
現状
①現状は「恋人」Rが出た。逆向きカードからは、真ん中の男性が両側にいる2人に話しかけるも、自分の意図することをうまく伝えられていない様子が浮かび上がる。H氏は、今の売り場の状況そのままだと思った。仕事人間のH氏は、何とか店舗の活気を取り戻し、業績を上げたいと思って、一生懸命2人の女性スタッフに働きかけるが、彼女たちとは情熱や意欲を共有できないでいるのである。残念ながら、従業員の彼女たちの話から漏れ聞こえてくるのは、業績悪化で自分たちの給料やボーナスの額が少なくなったことへの不満や今後の雇用不安など、暗い話ばかり。自分が店長を任されている足元の店舗がこの状態では、会社全体のためになる発信をしようとしても難しいことは、容易に想像できる。残念な現実であるが、まずここを課題としていかなければならないと、H氏は思った。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯の「女帝」は、H氏である。女帝が、未来に向けてのヴィジョンをいち早くつかみ、秘策を練っているように、H氏も、会社の今後の業績アップのために、いろいろなアイデアを温めてきた。カードは正立なので、こうしたH氏の取り組みを後押ししていることがわかる。アパレル業界は、時代の流れやライフスタイルの変化とともにあるので、時代の先を見通して、魅力的な製品を作り出す努力が欠かせない。特に、変化のスピードが速まっている昨今には必要とされる努力であることを、H氏は心得ているのだろう。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「正義」R。H氏は、バランスの取れていない天秤に目に着目した。カードが言わんとすることは、H氏自身もわかる気がした。店長として、H氏は気高い理想を持って何とかしたいと意気込んでいるが、店の現状とH氏の考えていることにギャップがあり、H氏の思うように実行しようとしても、できる状況にないのだ。

(4)
経緯 現状 展望
 
(4)
④「恋人」Rの対策カードは「世界」が出た。四方を取り巻く存在と、ひとつの輪になったリースを見て、H氏は、もっと周囲の賛同が得られるような働きかけが必要であると痛感した。H氏は、自分の考えを会社全体に発信したいと願っているのだから、できるだけ多くの人の協力を得、皆で共有することが決め手になる。そうすることで、初めて会社を変える力になるのだろう。

(5)
経緯 現状 展望
   
(5)  (4)
⑤「世界」の注目カードは「教皇」となった。このカードは、H氏にはすぐわかった。店長である自分と2人のスタッフだ。まず、自分がすべきは、足元の今の店舗で、仕事に熱が入らない2人を教育して、意識改革を促すことだ。今まで、疎かにしていたと反省した。

(6)
経緯 現状 展望
     
(5) (4)     (6)
⑥「正義」Rの対策カードは「神の家」で、この建物は店舗が入っている百貨店だろうか。ひょっとしたら、全国に店舗を持つ会社全体をあらわしているのかもしれない。いずれにしても、手前にいるのは、H氏の店にいる2人のスタッフに違いない。H氏は、自分の考えを会社全体に波及させる第一歩は、自分の部下である2人のスタッフの再教育にあると確信した。彼女たちの仕事に対する意識が、がらりと変われば、他店舗のスタッフの意識改革につながり、会社全体に及ぶようになるだろう。

アドバイスカードは「星」。H氏は、鳥が止まっている木が目に飛び込んできた。もともと「集」の字には、「鳥が木の上にむらがりあつまる」という意味があることを思い出し、お客さんが集まる様子を想像した。そして、こんなうれしい状況を作り出すには、まず、このカードの女性のようになること。H氏は、仕事にかける情熱やお客様への思いを、言葉による指示ではなく、率先して自らの態度や働き方で示していけば、注ぎ溢れた水が周囲に波及していくように、自分の発信も浸透していくと思えた。やってみようと、心が固まった。

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