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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第301回 社風が変わった取引先とどう付き合うか

Q.

Fさんは美容サロンを始めて、16年になる。堅実をモットーにしているせいか、固定客が多く、取引先もいったん決めたところと長く付き合うことが多かった。おかげで取引先の担当者とも、安定した信頼関係ができていたのだが、2年ほど前、取引の一番多かった会社(A社)で、トップをはじめ、かなりの社員が入れ替わった。社風がどんどんドライになり、10年以上Fさんのサロンを担当してくれた社員も、昨年、突如退職することになったとの知らせが届く。その数日前には、いつも通りに話していたのに、いったい何が起こったのか、日頃、A社の社風の変化を淋しく思っていたFさんは、追い打ちをかけるようなその知らせに大きなショックを受けた。しかし、サロンにはA社との取引がどうしても必要なので、いつまでもショックを引きずっているわけにはいかない。何とか心を立て直さなければ。Fさんは、タロットの力を借りることにした。

S・Fさん 50代 東京

A.

(1)

現状

現状は「女帝」が出た。カードを見るなり、Fさんは、「女帝」が玉座にゆったりと座って、未来をじっと見つめる姿に注目した。「女帝」は、実に堂々としているので、現実に何か驚くことが起きても、気持ちが動転して取り乱したり、ショックに打ちのめされ自分を見失ったりすることはない。「女帝」の深い青い目もFさんの心に突き刺さった。その目は、目前の出来事にあたふたとしてキョロキョロする目ではなく、その奥を見抜くような落ち着きを感じさせる。Fさんは、どんなことが起きても、「女帝」のような心の在り方が大切だと痛感した。Fさんはくよくよしていたが、カードが正立であることから、その気になれば自分もきっと「女帝」のようになれると、奮い立った。

(2)

経緯 現状

経緯は「愚者」で、取引先の社員が入れ替わり、長年慣れ親しんだ担当者も退職したことで、取引先との関係が新たな段階に入ったことを示唆している。担当者の退職があまりに突然だったので、Fさんは、ショックな出来事として受け止めていたが、遠いずっと先を見つめる「愚者」は、「感傷的になってはいけないよ。いつまでもこだわっていないで、もっと未来を見て。取引先とも、新しい関係を築けばいいだけのこと。」と語りかける。Fさんは「愚者」のひょうひょうとした姿に、心がずいぶん軽くなった。

(3)

経緯 現状 展望

展望は「宙吊り」である。こんな姿勢なのに、どっしりと構え、何事にも動揺することなく泰然としている様子が窺える。2本の柱と上にかかっている貫もしっかりしていることから、Fさんは、自分の仕事に対する考え方は揺るがせにしないで、取引先と協調するようにすればいいのだと思えた。

アドバイスカードは「悪魔」。悪魔と小悪魔をつなぐロープは、信頼の証に見える。ドライな社風に変わってしまったように見えても、実際に、取引を重ねるうちに、案外いい関係が築けるかもしれない。長く何かをやり続ければ、変化はつきもの。安定を好む自分はもっと変化を積極的に捉える必要があると、Fさんは自戒した。

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