本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第293回 社会人1年生、仕事の難しさを感じている。

今年4月にIさんは社会人になった。学生時代、人を支える仕事をしたいと思っていたIさんが入社したのは、社会保険労務士法人である。研修後の配属は営業で、アウトソーシング(外部委託)の企業対応をすることになった。営業を希望していたわけではないので、不安もあったが、先輩方のサポートのおかげで、なんとかやって来れた。でも、先輩のサポートがいつまでもあるわけではなく、早く一人前にならなければならない。営業先での対応には専門知識も必要で、最近は自分の力不足を感じている。仕事は忙しく、今の状態で仕事を続けていく自信がなくなってしまった。思い悩んだ末、Iさんは、タロット・リーダーである母親の協力を得て、タロットで心の整理をすることにした。

 N・Iさん 20代 神奈川

A.

(1)
現状

現状は「戦車」Rが出た。Iさんは、カードを見て、自信をなくし切羽詰まっている自分のようだと思った。今日こそは頑張ろうと営業先に出かけるものの、十分な対応ができず、意気消沈して会社に宿題を持ち帰ることが多い日々が浮かぶ。社会人一年生なので無理もないが、学校時代から責任感が強いIさんには、自分のふがいなさの方が強く感じられてしまう。カードは逆向きであることから、Iさんの落ち込みは相当大きいようだ。

(2)
経緯 現状

経緯は「力」である。Iさんには、ライオンが自分で、ライオンの世話をする少女が先輩に見える。Iさんは、信頼する先輩から仕事のイロハを習った。先輩が労をいとわず、手とり足とり教えてくれたおかげで、未熟ながらなんとか仕事になっていることは、Iさん自身が一番よく知っている。カードを見たIさんは、自分も頑張ってきたが、先輩にも恵まれて本当にラッキーだったと思った。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「恋人」R。複数の人物がやり取りしている様子は、営業の訪問先でのシーンだろうか。当分の間、訪問先では思うように対応できず、苦戦しそうだ。経験がないから、顧客のリクエストに応えるだけの知識も技量もまだ身についていない。一朝一夕にできることではないので、辛いけど仕方がないとも思う。一方で、Iさんは、職場のシーンかもしれないと思う。職場の上司たちは、落ち込んだ様子で訪問先から宿題を持ち帰るIさんの状況を把握しているので、心配して相談しているようにも見えるのだ。責任感が強いIさんは、そんな風に気遣われるのが嫌いである。自分のことで心配をかけたくないのである。

(4)
経緯 現状 展望
(4)

「戦車」Rの対策カード「星」を見たIさんは、「戦車」Rが、立派な鎧を身に着けているのに対し、「星」が裸であることに気づいた。頑張らなければと自分を奮い立たせる気持ちと裏腹に、自信をなくしているIさんに、タロットは、鎧を脱ぎ捨て、ありのままの自分を出していいのですよと語りかける。張りつめ過ぎたら、自分を緩め、ゆったりすること、自分を取り戻し、積極的に仕事に取り組んでいくには大切かもしれないと、少し納得。

(5)

経緯 現状 展望
(5) (4)

「星」の注目カード「教皇」は、近いうちに予定されている月一回の上司との面談のことに違いない。Iさんは、自分の気持ちや仕事の状況を、上司に率直に話してみる気になった。

(6)

経緯 現状 展望
(5) (4) (6)

「恋人」Rの対策カードは「神の家」である。「恋人」Rの絵柄は人が中心なのに、「神の家」の絵柄は大きな建物が中心で、対照的である。レンガがしっかり積み上がった建物は、会社組織を想起させる。会社の仕事は、個人で頑張るというよりは、会社の一員として担当していくものである。Iさんは入社一年目なので、まだよくわかっていないことも多いが、徐々に会社という組織ならではの仕事のやり方を身に付けていくとよいだろう。Iさんは、天から降ってくる丸いものに注目したが、それは組織だからこそ生み出せる多くの美点をあらわしているのかもしれない。Iさんも会社組織の恩恵を受けて、大いに成長していけばいい。

アドバイスカードは「斎宮」。日頃、訪問先で力不足を感じていたので、「斎宮」のようにもっと勉強して専門知識を身につけようと思った。同時に、社会人一年生なのだから、これを機会に、会社という組織での働き方を学んでいけばいいと、心の整理がついた。

前回のケーススタディ

バックナンバー


(第201回~最新号)

(第82回~第200回)