本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第289回 折角の休暇が気持ちよく休めない。なぜだろうか。

I氏はアパレル業界で働いている。入社して15年になるが、入社当初と現在では、職場の環境が激変し、とにかく忙しい。アパレル業界は苦戦しているところが多いが、I氏の勤める会社も、過去に2度のリストラを行い、何とかしのごうとしている。そのため、一人一人の担当範囲が広がり、かつてないほど忙しくなっているのである。そんな折、やっととれた休暇の前日に早退したせいか、すっきりした気持ちで休めない。貴重な休暇なのだから、もやもやしたまま中途半端に過ごしたくない。I氏は心の整理のために、タロットを展開することにした。

H・I氏 40代 埼玉

A.

(1)
現状

現状の「隠者」Rを見るなり、I氏は今の疲れ切った自分であると思った。忙しすぎて体も疲れているが、それ以上に心が疲れ、周囲の人たちとうまく意思疎通ができていない。他の人たちも仕事が増えて大変な思いをしており、職場の雰囲気もピリピリしているが、とりわけ神経が細やかなI氏は、大きなストレスを感じている。本来なら、嬉しいはずの休暇。I氏は、周囲の人たちが忙しい最中に自分が休みを取ることが気になって、素直に喜べない。カードは逆向きなので、周囲を気にし過ぎる自分が、自分を追い詰めてしまっていると痛感した。

(2)
経緯 現状

経緯は「悪魔」Rである。I氏には、悪魔と小悪魔を結ぶロープが、自分を会社に括り付け、がんじがらめにしている束縛のロープにしか見えない。2度のリストラの対象にはならなかったが、不本意な職場環境で気持ちをすり減らしながら仕事をしているI氏は、会社の隷属状態に息が詰まりそうである。こんな気持ちを引きずっているので、せっかくの休暇を思い切り楽しむ気にもなれない。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「審判」。地下から脱出した人の姿に着目したI氏は、窮屈な隷属状態から解放された自分を重ね合わせた。自分の中に新しい気持ちが芽生え、視点が高くなれば、会社の状況も、今までとは違う光景が見えて来るに違いない。絵柄から大きな希望を感じ取ることができた。

(4)
経緯 現状 展望
(4)

「隠者」Rの対策カードは「斎宮」が出た。静かに内的世界にとどまる「斎宮」は、I氏にもっと自分の内側に目を向け、心を整えることを勧める。「斎宮」はタロットリーディングを示唆し、「隠者」Rと「斎宮」は、ともに智慧に富んだ人物で、タロットの書でも親縁しているので、心がざわつくときに、タロットをすることもよい方法である。タロットは、自分の心をコントロールする優れた方法だから。

(5)

経緯 現状 展望
 (5)  (4)

「悪魔」Rの対策カードは「愚者」。初々しく、楽しそうに上の方を見つめる「愚者」は夢がいっぱいあって目が輝いている。I氏は、「初心を思い起こしなさい」と言われた気がして、ハッとした。入社して15年のI氏は、仕事ではベテランだが、いつの間にか立場に安住し、社内で何か問題があると、問題は他の人か会社にあるかのように思い、不満をためてしまう。新人の時は、周囲や会社への感謝の思いがあり、忙しさも休暇も素直に喜ぶことができた。「自分は会社の奴隷だ」という思いは、いつのまにか自分が作り出したものだったかもしれないと反省した。

アドバイスカードも「愚者」で、「悪魔」Rの対策カードのメッセージとあわせて、改めてI氏の心に絵柄が焼き付いた。確かに、これまで、問題が起こる時は、「愚者」のような純粋さや謙虚さを忘れていることが多かった。新人時代のように、休暇の時は休暇を十分楽しむことが大切、英気が養われ仕事の充実につながるとやっと思えた。いい休暇を過ごしたい。

前回のケーススタディ

バックナンバー


(第201回~最新号)

(第82回~第200回)