本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第287回 自分には難しすぎる授業、続けるべきか、どうか。

東京に住んでいた頃、Nさんはタロットやヒーリングの勉強、趣味などに打ち込んできた。そのうちにアストロロジーもやりたいと思っていた矢先、ご主人の転勤で、東京を離れることになった。東京で学ぶ機会を逸してしまったNさんは、転居先でご縁のあった方がアストロロジーを教えていることを知り、早速、友人を誘って教室に通うことにした。ところが、1回目の授業を受けてあまりの難しさに辟易し、このまま続けることが本当にいいのか・・・、Nさんは迷っている。どうにも決心がつかないため、タロットに助言を求めることにした。

A・Nさん 40代 大阪

A.

(1)
現状

現状は「太陽」の正立である。カードの二人の人物は、もちろんNさんと友人である。絵柄から、二人ともアストロロジーの勉強を楽しみにしている様子が窺える。特に、友人を誘ったNさん(右側の人物)からは、「やっと念願のアストロロジーが学べるわ。しかも、友人と一緒に。」と、嬉しさいっぱいの弾む声が聞こえるようだ。

(2)
経緯 現状

経緯の「節制」Rで、Nさんが注目したのは壷を行き来する水である。カードが逆向きであるのを見て、思い当たることがあった。東京でアストロロジーを学ぶ機会を逸してしまったことが非常に心残りだったので、Nさんはどこかで学べないものかとずっと気にしていたのである。また、転居先の新しい生活に慣れるまでの間、何かとせわしなく出費もかさんだので、受講料のことなど考えて、家計的に気軽にできるところにこだわっていた面もある。いずれにしても、心の中に、早く!早く1とせかす自分がいたように思う。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「審判」Rが出た。Nさんには、肌色の二人の人物が自分たちのことであるとわかる。授業を聞いていても、語られる内容が理解できない自分たち。左側の人物は「こうしたやり方でないとアストロロジーは学べないの? 私には難しすぎるわ。」と言わんばかりに、右側の人物を見つめている。カードは逆向きなので、二人は大きな困難を感じているようだ。

(4)
経緯 現状 展望
 (4)

「節制」Rの対策カードは「女帝」。堂々としてゆったり玉座に坐す女帝は、その立場から物事を決定する権限を持っている。Nさんは、どうするかは自分自身の意志で決めることだと思った。

(5)

経緯 現状 展望
  (5)

「女帝」の注目カード「仕事師」の絵柄から、Nさんの目を引いたのは、机の上に置かれたさまざまなものである。いくつも並んでいるが、「女帝」の視線は、漫然とそれらを眺めているわけではない。この世のものとは思えない鋭い視線で、本当に必要なのはどれか吟味しているようである。Nさんは、何かを学ぶときには、気持ちの赴くままにあれこれ手を出すのではなく、その中から自分に合ったものを取捨選択することが大切だと気づいた。

(6)

経緯 現状 展望
(4)   (5) (6)

「審判」Rの対策カードは「正義」となった。カードの中の天秤が、学ぶ側にとって学習内容や方法とのバランスは重要だと指摘する。見合っていなければ、よく理解することもマスターすることもできない。Nさんは、自分たちの現実を見て、アンバランスな学習を続けるよりひと区切りするほうがいいのだと、心が決まった。

アドバイスカードは「隠者」。Nさんには、「隠者」が、これまでの探求でマスターしてきたものを、さらに極めているように見える。東京にいる間に学んだことはたくさんある。しばらくは、新たなものへの挑戦ではなく、学んできたことを深めていくことにした。

前回のケーススタディ

バックナンバー


(第201回~最新号)

(第82回~第200回)