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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第265回  「自分の描く理想の女性」を夢で終わらせたくない

最新のケーススタディ 2016年9月10日号 掲載

Q.  Aさんは精神的に自分を成長させてくれる学びが大好きである。学習の機会があると、地元だけでなく東京へも足を延ばして、自己探求をしてきた。そのおかげで、自分が到達したい理想的な自分像も描けるようになった。主婦であるAさんが目指すのは、理想的な妻であることだが、現実の自分は、日々の家事をこなすことで精一杯で、理想どころではない。このままでは、実際に掴むことができない夢で終わりそうである。やはり自分には無理なのか・・・。でも、最近Aさんが学び始めたタロットには、解決法があるという。Aさんはタロットにアドバイスを求めてみようと思った。

R・Aさん 60代 石川

A.(1)

現状

現状は「隠者」が正立で出た。自己探求するAさんである。自分の理想に近づくこと、なりたい自分を体現することは、Aさんの人生にとって一番重要なテーマなので、どうすればそれが可能になるのか、Aさんの関心はいつもこれである。灯りを掲げて一点に集中する姿に、Aさんの真剣な気持ちがよくあらわれている。

(2)
経緯 現状

経緯に出た「月」は逆向きだった。吠え合う2匹の犬を見て、Aさんは両方とも自分の内側の声であると思った。肌色の犬は自分の体がいつも疲れていることを訴えているように見える。一方の空色の犬は自分の魂の声かもしれないが、体の疲れに加えて自分勝手な思い込みにどっぷりつかっているので、全く聞こえていない。自分の心の中がこれだけ乱れていたら、自己成長の勉強を長年しても理想の自分になれないのは当然だ。「月」Rの絵柄で、Aさんは自分の問題点にようやく気づくことができた。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「宙吊り」R。この問題が解消できなければ、今後も自分で作りだした妄想の世界にがんじがらめになって、身動きできなくなる。展望の「宙吊り」Rも、今のAさんなら容易に想像できる。Aさんは、突きつけられた課題を受け止めながらも、なりたい自分になれないままで終わるのは嫌だと、心の中でつぶやいた。

(4)
経緯 現状 展望
 
 (4)

「月」Rの対策カード「愚者」は、問題点に気づけたのだから、過去のことにくよくよせず前に進みなさいと、Aさんを後押ししている。Aさんは「愚者」のおおらかな表情を見て、自分にもできそうな気がしてきた。

(5)
経緯 現状 展望
  (4)  (5)

「愚者」の注目カードは「皇帝」である。この2枚は、自分と夫の関係を示唆している。主婦であるAさんは、よき妻であること、夫のかけがえのないパートナーであることを求めすぎるあまり、心の奥で夫に絶対文句を言われないようにしなければと自分に言い聞かせてきた。そのことで疲れてしまい、目の前にいる夫には、心ない振舞いをしていた。タロットは、小さな自分のエゴにとらわれないで、もっと素直な気持ちで夫に接すれば、2人の関係はうまくいくと言う。

(6)
経緯 現状 展望
   
  (4)  (5)  (6)

「宙吊り」Rの対策カードは「節制」。Aさんは2つの壷を行き交う水に注目する。Aさんは「節制」の天使から、「ご主人には、心がしっとりと潤うようなやり取りをするように心掛けなさい。そうすれば、ご主人にも愛情が伝わり、あなたも理想の自分に近づけますよ。」と、温かいメッセージを受け取った。頑なに身構えて言葉だけのやり取りをして嘆いていた自分が恥ずかしい。

アドバイスカードは「星」である。タロットの展開でやっと大切なことに気づけたのだから、過去のイライラや不満、否定的な思いはすべて水に流そう。ゆっくりでもいいから、「節制」の天使のメッセージを心に刻んで取り組んでみよう。Aさんは、今度こそ、「なりたい自分になれる」と確信できた。

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