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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第257回 会社経営に行き詰っている。今後、どうすべきか。

最新のケーススタディ 2016年4月25日号 掲載

Q. Nさんは離婚後、会社を経営しながら二人の息子を女手一つで育ててきた。今、息子たちは独立し、もう母親として関わる必要もほとんどなくなっている。親としてはひと安心だ。一方、仕事では大きなコンペを二つも落としてしまい、Nさんは意気消沈している。以前ならば、仕事で壁にぶつかっても、子供を育てることでモチベーションを維持することができたが、その子供たちは巣立って、もう仕事に打ち込む原動力にはならない。「コンペを立て続けに二つも落とすなんて・・・。」Nさんは呆然としながら、何のために会社をやっているのかわからなくなってしまった。会社を続ける必然性が見えず、閉じるのも一つの選択肢だと思っている。これからどうするのが一番いいだろうか。

S・Nさん 50代 神奈川

A.(1)

現状

現状は、「審判」が正立で出た。Nさんは、天使と下の方から姿を現した空色の人物に注目した。両側の人物は父母に見えることから、空色の人物は子供たちにちがいない。Nさんは、必死で子供たちを育ててきた。国際結婚だったせいか、子供たちは日本での生活になかなか溶け込めず、学校でもずいぶん苦労した。そんな子供たちを守り育て、母子三人の生活を一生懸命支えてきたのである。だから、Nさんは、ラッパを吹く天使を見た時、これまでの頑張りのねぎらいを受け、祝福されたように感じた。自分のやってきたことが、天から認められたようで、Nさんはこの一枚で満たされるものがあった。

(2)
経緯 現状

経緯の「正義」から、Nさんの目に留まったものは天秤である。会社の経営も家計も、何とかやり繰りし、ぎりぎりのところでバランスを保ってきたこれまでの状況を、よくあらわしている。子供のことで、どうしてもお金が必要なときに、取引が成立してかろうじて見通しが立ったこともある。経済的にも精神的にも余裕はなかった。厳しい現実を突きつけられ、必死にその場を凌いできた。Nさんは、カードを見ながら、我ながらよくやってきたと振り返る。

(3)
経緯 現状 展望

展望も「女帝」の正立で、どっしりと余裕の表情で構え、深々と玉座に座している姿が印象的である。目の前にある現実に追われていた経緯の「正義」とは対照的だ。Nさんは、これからの自分のあり方を「女帝」の中に見た。「女帝」の視線は未来に向けられ、楽しげに見える。自分の中にひらめいてくるアイデアを思い浮かべて思案しているようでもある。

(4)
経緯 現状 展望 (4)

「女帝」の注目カード「神の家」は、Nさんの会社である。会社を閉じることも考えていたNさんは、「神の家」を見て意外だったが、やはり会社を存続させていくことが、自分の進むべき道であると思った。レンガがしっかり積み上がった建物なので、これからも地道に一つ一つの仕事を丁寧にやっていけばいい。Nさんは、建物の上部にある窓に注目した。窓が開いているので、風通しがよさそうだ。建物から外に出ようとしている人の姿も気になる。これまでの仕事は、ほとんどネット上の取引で、事務所の中だけで完結することが多かった。これからは、外に出て、直接、人と対面しながら仕事をしていくのがいいと思えた。外の空気を入れ、自らも外に出ていくことで、今までとは違った仕事ができそうである。絵柄には、楽しくて気持ちが弾け、思わず宙返りしているように見える人の姿もあることから、Nさんは、自分の手掛ける仕事に大きな喜びと生きがいを見出せるのではないだろうか。

アドバイスカードは「隠者」である。Nさんは、赤い杖を持つ空色の手を見て、これからは「人から人、手から手」をモットーに仕事をしていこうと、決意を新たにした。きっとこれまで積み上げてきた経験も活きるだろう。タロットの展開を進めるうちに、深刻だったNさんの心は癒され、晴れやかになった。失いかけていた仕事への情熱を取り戻し、新たな希望を見出だすことができたNさんには、かけがえのないリーディングとなった。

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