本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第237回 仕事がきつい。続けるか、やめるか。

最新のケーススタディ 2015年6月25日号 掲載

Q.子育てが一段落したSさんは、一年前、先輩の紹介で、保険のセールスレディを始めた。結婚以来、ずっと主婦だったSさんが仕事を始めたのは、働くことが目的というより、働いたお金でいろいろ勉強したかったからである。面倒見の良い先輩のおかげで、最初のうちは、仕事をすること自体が新鮮で、自分で稼ぐことの喜び、そのお金で好きな勉強ができる楽しみがあり、浮き浮きしていた。Sさんは、徐々に仕事に慣れ、この春には昇進を果たした。ところが、昇進すると、状況は一変。仕事は一気にきつくなり、楽しさより厳しさを感じる日々が続くようになった。この厳しさに耐えて頑張っていけるのだろうか。考えるほど気弱になったSさんは、いつ会社に辞めますと言おうかと思い詰めている。気持ちは辞める方向に大きく傾いているが、心のどこかで本当に辞めてしまっていいのと囁く自分もいる。心が揺れるSさんは、タロットを展開することにした。

N・Sさん 50代 石川

A. (1)

 現状
 

現状は「正義」の正立である。Sさんは、バランスの取れた天秤から、何とか家事と仕事をこなせている自分の姿を見た。しかし、「正義」の女神が厳しい顔つきをしているように、今の自分は余裕がない。仕事で壁を感じるたびに、「自分の力では、これ以上無理だわ。こんなにまでして、仕事はやりたくない。もう辞めよう。」と思ってしまう。朝になると、仕事に後ろ向きになりかける自分を叱咤激励して出勤することが多くなった。自分で決めたことだが、実際に体験してみて、現実の厳しさを噛みしめる今のSさんが浮かび上がる。

(2)
 経緯 現状
   

経緯は「悪魔」の正立。Sさんにとって、小悪魔が悪魔を信頼して見上げる様子は、社内の人間関係そのものに見える。Sさんの恩人である先輩は、長らく主婦だったSさんを支え、手とり足とりして、仕事のイロハを教えてくれた。先輩との出会いがなかったら、今の自分はいないし、昇進することなどありえなかったと思う。また、社内の人たちも、新米の自分を温かく迎え入れてくれた。社内の人間関係で嫌な思いをしたことが思い浮かばないほど、皆、自分によくしてくれた。家庭でも義父母や夫は、自分が仕事を始めることに理解を示し、仕事で疲れて帰ってくる自分に協力的だった。改めて、Sさんは、自分がこれまでやって来ることができたのは、周囲の人の支えのおかげだと思い知った。

(3)
経緯 現状 展望
   

展望は「節制」で、今までやってきたことを継続する姿が描かれている。明日にでも、会社に「辞めます」と言うつもりでいたSさんは、「節制」の天使に、「辞めてはいけませんよ。」と言われ、一瞬「エッ? 続けるの?」と意外だったが、落ち着いて考えてみると、やはりタロットの言う通りかもしれないと思えた。自分は勉強して何になりたかったのだろう。振り返れば、悩める人の役に立てることをしたい、人助けができるタロット・リーダーになれたらいいなあと、夢を膨らませていた自分を思い出す。仕事を始めた動機も、実はそこにあった。でも、苦しいことを自分で乗り越えた体験なしに、人助けなどできるだろうか。できるはずがない。今の苦しさから逃げれば、自分の夢からも遠ざかってしまう。Sさんは、何とか踏みとどまって、もう少し頑張ることにした。

アドバイスカードは、経緯と同じ「悪魔」である。タロットからのメッセージは明らかである。会社にとどまり、今の環境で自分を磨くことだ。喜んでつながれている小悪魔を見て、Sさんは、昇進後の自分は、成果を出すことに焦りがあったと反省する。社内を見渡せば、自分がお手本としたくなるような魅力的な先輩方が、自分の上に何人もいるのだから、肩の力を抜いて、先輩方から学びながら成長していけばいい。まだ、仕事を始めて一年。自分の夢を叶えるためにも、修行は必要。自分を追い詰めないで、とにかく継続することにした。

 前のケーススタディへ

バックナンバー


(第201回~最新号)

(第82回~第200回)