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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第236回 仕事の引継ぎを打診されている。自分に務まるか。

最新のケーススタディ 2015年6月10日号 掲載

Q. Aさんは、現在、同じ大学出身の先輩が経営する学習塾で、講師を務めている。少子化、子供たちの学習環境や学習意識の激変で、経営的には綱渡りだが、先輩もAさんも、自分たちの仕事にやりがいを感じている。先輩に誘われる形で加わるようになったAさんは、何かと先輩を頼りにしてきた。壁にぶつかるたびに相談に乗ってくれたのは先輩で、今日の自分があるのは、先輩のおかげと、Aさんは痛感している。最近、Aさんは、先輩から徐々に仕事を委譲していきたいと言われた。いつかそんな日が来ると、心のどこかで思うことはあったが、実際に先輩から告げられると、自分に務まるか不安になってくる。自分にできることをやっていくしかないのであるが、心を整理するためにタロットを展開した。

S・Aさん 40代 東京

A. (1)

 現状
 

現状は「恋人」で、体に手が触れるほど親密な関係にある人たちが相談している。この光景は、まさしく先輩がAさんに仕事の委譲の話をしている場面である。左側の人物が先輩と思われる。先輩はAさんの肩に手をかけて、「次を頼むよ。」と言っているように見える。カードは正立なので、タロットは、この度の先輩からAさんへの提案を後押ししている。Aさんは、不安がらずに、もっと肯定的に捉えるとよいことがわかる。

(2)
 経緯 現状
   

経緯には「世界」が出た。過去を振り返る中央の人物は、この業界一筋でやってきた先輩である。これまでの自分の仕事ぶりを眺め、達成感を感じている。同時に、自分が中心となって展開してきた塾経営に、そろそろ一区切りつけてもいい頃かなと、思案しているようでもある。「世界」も正立なので、先輩の判断は時宜を得たふさわしいものであるといえる。中央の人物は、走り続けたランナーがゴールインする姿にも見えることから、Aさんは、先々の不安より、「そろそろ一区切りを」と思う先輩の心情をもっと汲み取る必要があると感じた。先輩は、これまで苦境に陥っても正面から取り組み、道を切り開いてきてくれたからである。

(3)
経緯 現状 展望
   

展望の「運命の輪」では、後を追うように輪を駆ける2匹の動物が、Aさんの目を引く。Aさんは、2匹の動物は先輩と自分のことだと、すぐ分かった。絵柄のように、先輩が作ってきた道をしっかり引き継いでいけばいい。徐々にAさんの役割分担は多くなるが、当面は先輩と一緒に行うのであるから、共有する時間の中で、できる限り先輩から吸収するとよい。カードは正立なので、引き継ぎもうまく行くだろう。Aさんが不安に思うようなことにはならない。この流れに乗っていきなさいと、Aさんを後押ししている。

(4)
(4) 経緯 現状 展望
   

「世界」の注目カードは、「正義」Rとなった。大きな両刃の剣を持って正面を見据える姿からは、厳しさがひしひしと伝わってくる。教育事業に関わる人たちは、どこも同じような苦しさに直面したに違いないが、Aさんたちの学習塾も経営的に大変であった。「正義」Rをみると、その時の苦闘が思い出される。Aさんは、自分もつらかったが、経営の責任を担う先輩は、もっと重荷を背負っていたのだと、改めて思った。

(5)
 (4) 経緯 現状 展望
   
(5)

「正義」Rの対策カードは「戦車」。「戦車」の御者は前を向いて馬車を操っているようであるが、両肩の人面で、広く見渡している。御者は、厳しい現実を乗り切るには、目先の苦しさだけを見るのではなく、大局的な見地から判断することだと言わんばかりである。駆動力となる馬は2頭いるが、よく見ると大きさが違う。右側の落ち着いた表情の大人を感じさせる大きい方の馬に、Aさんは注目する。大人の馬は、ただがむしゃらに子供のように突進するのではなく、大人のように進むべき方向をしっかり捉えて進めば大丈夫と、Aさんにエールを送る。

(6)

 (4) 経緯 現状 展望
   
(6) (5)
「戦車」の注目カードは「審判」である。天使の呼びかけに応じる様子は、まさに自分のやるべきことを自覚した人の姿である。2枚をあわせてみると、「戦車」の御者は、自分のすべきこと、使命を自覚し、使命を果たそうとしているように見える。振り返ると、つらいときに自分を支えてくれたのは、自分の中の使命感だったように思う。Aさんは、苦境に陥りそうになったら、自分の使命に立ち返り、自分の使命から再出発するだけのこと、くよくよするのはやめようと思った。

アドバイスカード「悪魔」から、Aさんは、自分の力量を心配するより、受け継いだものを次に伝えることに専念することだと、心が定まった。現場で先輩から受けた教えを実践し続けることの結果が未来像なら、自分も先輩も受け入れられると思えた。も「審判」。「審判」は皆と一緒に認定を受ける場面であるし、認定の合格を仲間とともに喜び合う場面でもある。認定を取得することで、今まで以上に助産師という仕事への使命感も高まり、理想の助産師に近づく大きな一歩となるに違いない。Fさんは、頑張ろうと思った。

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