本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第235回 上級助産師の認証試験を受けるべきか

最新のケーススタディ 2015年5月25日号 掲載

Q. Fさんは、助産師として地元の病院に勤務している。月に3分の1は夜勤もあり、大変な時もあるが、助産師の仕事は天職だと思っているFさんにとって、新たな生命の誕生の手助けができる喜びは、大きな生きがいになっている。さて、Fさんの勤務する病院では、助産師全員を対象にクリニカルラダー(助産実践能力習熟段階)に取り組むことになり、今年の8月からいよいよ開始である。Fさんは、良い機会なので勉強はしたいと思っているが、試験に合格して認定を取得するまでに、5万円が必要となる。認定を受けると、日本助産評価機構がレベルⅢ(評価レベルは4段階ある)以上を認証し、「アドバンス助産師」の呼称が得られる。しかし、パート勤務で経済的に余裕がないFさんは、今年、認定をとるべきか、それとも、他の助産師と一緒に勉強だけして、認定はとらずにおくか、迷っている。

Y・Fさん 40代 茨城

A. (1)

 現状
 

現状は「戦車」である。馬車を巧みに操り、自信を持って自分の道を突き進む御者の姿は、今のFさんである。誇らしげな姿から、Fさんが助産師の仕事にやりがいを感じ、パート勤務ながら優れた技量の持ち主であることがわかる。そんなFさんだから、病院で始まるクリニカルラダー制度にも前向きで、自分の技量を高める勉強はどんどんしたいと思っている。勉強には意欲的なのに、認定を受けるかどうか迷うのは、直接的には金銭的理由からである。でも、Fさんは実績があるので、心の中には、「認証があってもなくても、私は助産師としてちゃんとやっていけるわ。」と思う自分もいるのかもしれない。

馬車に乗る御者は、高いところから見渡すことができ、肩に人面を持つので、視野も広くなる。カードはFさんに、助産師の仕事を極めるために、何事も積極的に取り組むことを後押ししているが、絵柄から、自分の立ち位置を一段高い大きな視点で捉え、判断することが大切だと注意を促してくれる。

(2)
 経緯 現状
   

経緯は「審判」R。Fさんは、クリニカルラダーの認定を受けた方がいいかどうか迷っている。同僚は皆、ラッパを吹く天使を見上げる人のように、クリニカルラダーの告知を聞いて、認定を取る気満々で盛り上がっている。でも、Fさんは、その話の中にすんなり溶け込めない。「皆が認定をとると言っているのだから、一人くらいとらない人がいてもいいかな。パート勤務だし。好きでやっている勉強の出費もかさむ時期だから、認定のために5万円を捻り出すのはきついわ。」と、悶々としているのである。

(3)
経緯 現状 展望
   

展望の「悪魔」が出たところで、Fさんの脳裡には、意気投合して働く職場の人たちの姿が思い浮かんだ。病院の助産師たちが、同じ目的意識を持つことでお互いの繋がりが深まり、連係プレーがうまくいく。そうすれば、質の高い仕事を地域の人々に提供できるようになる。地域の人たちに一層喜ばれることで、自分たちも報われる。それに、認定は全国共通なので、「アドバンス助産師」の認証は、社会的な信頼を高めてくれる。助産師としての自信も一層揺るぎないものになるだろう。

(4)
経緯 現状 展望
   
 
(4)

「審判」Rの対策カードは「世界」が出た。中央の人物が、周りの人と円満な関係を築いているのを見て、Fさんは改めて仲間との関係が大切であると思った。助産師という仕事は仲間との協調が不可欠。そのためには、日頃から、ともに学び、高め合う関係を作る努力が欠かせない。カードを見て、Fさんは、今年、同僚と一緒に認定を取得しようと決心した。また、公的認定なので、どの病院でも通用する。将来を考えると、先送りするより、今年取っておいた方が、いざという時に安心である。

(5)
経緯 現状 展望
   
 
(5) (4)
   

「世界」の注目カード「愚者」は、自分のゴールに向かって歩み出そうとしている。Fさんには、この姿が、理想の助産師をめざす自分に見える。希望にあふれる「愚者」に悲壮感はない。Fさん自身も、好きな勉強をして、学ぶ喜びを体験し、天職といえる仕事について充実感を味わってきた。大変、大変と言いながら、これまで認証やって来ることができたのだから、くよくよしないことだ。「愚者」のように、目先の心配に振り回されず、もっと肩の力を抜いて大局を見るとよい。

アドバイスカードも「審判」。「審判」は皆と一緒に認定を受ける場面であるし、認定の合格を仲間とともに喜び合う場面でもある。認定を取得することで、今まで以上に助産師という仕事への使命感も高まり、理想の助産師に近づく大きな一歩となるに違いない。Fさんは、頑張ろうと思った。

 前のケーススタディへ

バックナンバー


(第201回~最新号)

(第82回~第200回)