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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第210回 息子が土建業の会社を始めて1年半。経営状況が逼迫しているが大丈夫だろうか

最新のケーススタディ 2014年5月10日号 掲載

Q. Sさんの息子Yさんは土建業の職人として会社勤めをしていたが、1年半前に独立した。この業界は、いつも一定の需要が来るわけではないので、経営者は舵取りが難しい。独立して間もないYさんは、仕事の腕に自信はあるが、経営者としては駆け出しで、大変な苦労をしている。職人肌で、営業が下手なことも響いている。そこで、Yさんは営業が上手な10歳年上の男性と組むことで、何とか弾みをつけようとしている。明るい兆しが見えない中、最近は、設備投資をし始めた。土建業の設備にかかる費用は半端ではないので、SさんやYさんの妻は傍で見ていて、不安でならない。経営にうぶな職人肌のYさんが、口八丁の営業担当の男性に、いいように振り回されているのではないかと疑心も生じ、Yさんに口出しするが、Yさんはその男性を信頼しており、家族のお節介をうるさがる。気持ちが収まらないSさんは、タロットに尋ねることにした。息子の会社は大丈夫だろうか。

                             M・Sさん 60代 石川 

 現状
 

「節制」Rは、まさにYさんが立ち上げた会社の現状である。二つの壺をうまく操ろうとするがうまく行かない様子は、仕事の受注が進まず資金繰りに苦しむ状況をよくあらわしている。特に、最近始めた設備投資で、一段と厳しくなっている。節制の天使は社長のYさんである。経営の苦しさは、外野であるSさんたちがあれこれ言うまでもなく、当事者であるYさん自身が一番よく知っている。

(2)

 経緯 現状
 
タロットを展開するまで、Sさんの心の中には、経営にうぶな息子が営業担当の男性に騙されているのではないか、だからうまく行かないのではないかとの思いがあった。経緯に「悪魔」Rが出た時、一瞬やっぱり騙されていると思いかけたが、すぐに、これまでの息子とのやり取りを思い出した。Sさんが息子の嫁と一緒になって口出しすると、息子はいつも怒りうるさがった。Sさんは、「悪魔」Rが、息子(中央の悪魔)を信頼せずに、そばでSさんと嫁が小悪魔のように口出しして絡み付いてきたことを言っているのだと思い至る。良かれと思ってやってきたことを、カードはそれが問題だと指摘する。ショックを感じながらも、Sさんはカードの言う通りだったと反省する。

(3)  

経緯 現状 展望
   
展望は「正義」である。大きな剣を持って正面を見据える姿からは、厳しさや緊迫感が伝わってくる。すぐに経営状況が好転し潤うまでにはいかないようだ。しかし、カードは正立で、釣り合った天秤もあることから、厳しいながらも徐々に収支に改善が見られ、とんとんに向かっていく兆しはありそうだ。

(4)

経緯 現状 展望
   
     
   (4)  
「節制」Rの対策カード「斎宮」は、事態を冷静に受け入れる人をあらわす。人生を静かに達観できる「斎宮」の役割をするのは、Sさん以外にない。Sさんは、息子にとってやかましい母親であるが、タロットは静かに見守る母親になりなさいと助言する。親心からつい過干渉になるSさんに、もっと精神的に成熟して智慧のある母親へ脱皮していくことを勧めている。

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経緯 現状 展望
   
     
   (5)  (4)  
「斎宮」の注目カード兼「悪魔」Rの対策カードは「皇帝」である。「皇帝」は社長であるYさんである。母親のSさんには、息子の前に陣取って物申すのではなく、息子を背後から見守りなさいとのメッセージ。そして、「悪魔」Rのような口出しをやめて、会社運営の権限と責任は息子にあることを認め、もっと信頼してあげなさいと、タロットは二人(Sさんと息子の嫁)に助言する。

(6)

  経緯 現状 展望
     
       
 (6)   (5)  (4)   
「皇帝」の注目カードは「月」。「皇帝」であるYさんは、「月」に描かれた二匹の犬を見つめている。色が違う犬であることから、Yさんは、その男性が自分にないものを持っていることを見抜き、その男性と本音を言い合えるパートナーとして組めば、何とか会社は立ち行くとヴィジョンを描いているようだ。「皇帝」と「月」のカードから、その夢の実現に向かって、Yさんが思った通りに采配を振るうことができるようにしてあげるようにすることが、鍵となる。

アドバイスカードも「悪魔」となったところから、Sさんはこれまで嫁と一緒に口出ししてきたことを、改めて反省した。小悪魔のように、悪魔が象徴する息子に全幅の信頼を寄せ、手は引っ込めよう。息子は、家族の生活が自分の肩にかかっていることを知っている。そう簡単に挫折するはずがない。今こそ、息子が一人前の社長になれるような応援をすべきだと肝に命じた。

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