本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第485回 声がけが苦手で、リーディングの修行が進まない。対策は?

Q

Tさんは、タロットリーダーになりたいという夢があるが、もともと消極的な性格のため、見知らぬ人に声をかけて、リーディングの修行をさせてもらうことができないでいる。家族や友人にリーディングするときは、楽しくできるが、初対面の人には、どうしても緊張し、不安を抱いてしまうのである。それでは、なかなか自分の夢であるタロットリーダーにはなれないのは、よくわかる。Tさんは、タロットに出合えて本当に良かったと思っているので、少しでも夢の実現に向かっていくのにどうすればよいか、タロットに助言をもらうことにした。

                                                                                                                                                                                                                                A・Tさん 50代 神奈川

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「恋人」である。Tさんは、絵柄を見るなり、真ん中の人物が自分、左がタロットの師匠、右が友人に見えた。Tさんは、日頃、師匠からは暖かい応援を受け、友人も少数ではあるが、リーディングの練習相手になってくれているので、タロットの勉強に関しては、とても恵まれていると思っている。カードが正立で出たことに、まさにその通りだと、思わずうなずいた。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「星」で、Tさんは思い出すことがあった。若い頃に精神を病んだことがあり、ずっと不安定で鬱々と過ごしてきたが、ある時、このままではよくない、自己成長のために何かをしようと思い立った時に、出合ったのがマルセイユ・タロットだったのである。Tさんは、気持ちを奮い立たせて、タロットを習いに行った。そして、学ぶ中で、この「星」カードは、「希望」や「可能性」を表すことを知った。Tさんは、そのような言葉が、これまでの自分の中になかったことを実感し、希望を持つことの大切さに気付いたのである。それ以来、タロットリーダーになることが、Tさんの希望になった。カードは正立なので、Tさんは、タロットと素晴らしい出合いができ、Tさんの希望を後押ししていると言える。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「力」Rが出た。思い切ってリーディングの機会を広げようと思うものの、初対面の人の反応が厳しかったらどうしよう、もしうまく話せなかったら?などと考えて、不安になり、その結果、声をかけそびれ、リーディングの練習がなかなか進まない状況が続きそうだ。Tさんは、自分の性格を知るだけに、逆向きカードの言わんとすることは、すぐにわかった。自分にとっては、大きな壁だが、それでも壁の前で終わりたくないと思う。

(4)
     (4)    経緯    現状    展望
④「星」の注目カードは「審判」Rで、このカードにも心当たりがあった。Tさんは、タロットリーダーになりたいと思ってから、タロットの紹介カードを作成し、知人に配ったことがあった。残念ながら、その時は反応が少なかった。引っ込み思案の自分にとっては大きな試みだったが、カードに書いた自分の言葉があっさりしていたために、配った人の心に響かなかったのかもしれない。今なら、伝え方も未熟だったとわかる。

(5)
     (4)    経緯    現状    展望
 
      (5)
⑤「審判」Rの対策カードは「月」となった。2頭の犬が月を見上げて、何かを言いたげに見える。Tさんは、紹介カードには、頭で考えた言葉でなく、もっと自分の心から湧き出る言葉を書く必要があると思った。そうすれば、池の中から姿をあらわしたザリガニのように、Tさんのタロットリーディングに、興味を示してくれる人も出てくるのではないかと思った。心を込めて熱い思いを伝えようとするなら、その思いが人の心に働きかけてくれるに違いない。

(6)
   (4)    経緯    現状    展望
 
 
     (5)       (6)
⑥「力」Rの対策カードは「宙吊り」が出た。「力」Rでは、少女が獅子の開いた口に手を出しているが、「宙吊り」の人物は、対照的で、にこやかにゆったりとして、口は閉じ、手も引っ込めている。この点に目を留めたTさんは、はっとした。そもそもリーディングは共同作業で、クライアントの話を聞きながら進めていくものなのだから、迎え入れる気持ちや落ち着きがずっと大切、上手にやらなければとか、会話力を高めなければと、気負うとかえってうまくいかないし、うまくできなかったらと考えると、不安になってしまう。リーディングの声がけも同じではないかと思ったのである。「宙吊り」の人物のように、発想の転換が必要なのだろう。何かにつけネガティブになりがちなTさんにとって、容易ではないが、タロットに出合ったことで、「希望」や「可能性」を持つことの大切さを知ったのだ。Tさんは、普段からネガティブになりかけたら、とにかく「ポジティブ」な気持ちになれる工夫をしてみようと思った。体の緊張をほぐし、ゆっくり深い呼吸をすることを心がけるだけでも、徐々に心に余裕が生まれ、きっと前向きになれるだろう。

アドバイスカードも「宙吊り」である。「宙吊り」からのメッセージがいかに大切かわかる。心にポジティブな思いが充満し、溢れるほどになれば、不安や怖気る気持ちは心から消えていくだろう。根気よく継続していこうと思った。

前回のケーススタディ

(第201回~最新号)

(第82回~第200回)