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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第484回 施設で寂しがる母親にすげない妹。姉としてどうすべきか?

Q

Sさんの母親は、現在自立型老人ホームにいる。食事以外はすべて自活するスタイルのホームで、Sさんは週に1回くらいのペースで会いに行き、一緒に散歩したり、昼食を共にしたりしている。ところが、Sさんの妹は、仕事や家庭生活(娘が3人いる)で忙しいのか、母親のいるホームに行くことが少なく、Sさんも含めて3人で一緒に食事をするのは、せいぜい40日に1回くらいである。母親が電話をかけても、忙しいのか電話に出なかったり、電話に出ても短い会話だけで、すぐに切ってしまうので、母親は、とても寂しく思っている。85歳になった母親は、最近、ますます、Sさんに、もっと妹にも会いたいと言うようになった。Sさん姉妹が幼少期の時に離婚した母親は、大変な苦労をして二人を育ててくれたが、そんな母親との親密さは、姉妹でずいぶん違う。姉のSさんは親密だが、妹はとてもクールだ。母親の寂しさはもっともだと思いながら、妹の気持ちもわかるSさんは、妹に何といえば言えばいいのか、思いあぐねている。そこで、タロットに相談することにした。

                                                                                                                                                                                                                                H・Sさん 50代 東京

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「世界」である。Sさんは、カードを見るなり、中央の人物が自分であると思った。Sさんにとって、家族はかけがえのない存在なので、家族のだれかが元気がなかったり、関係がよくなかったりすると、何かしないではいられなくなる。実際にすることはささやかで、気を配ったり、慰めたり、間を取り持ったりといったことぐらいだが、カードは正立なので、自分なりに役割は何とか果たせていると思った。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「隠者」Rで、この老人は、Sさんの母親だ。カードが逆向きであることから、体は元気でも、心は寂しくてたまらないと察しがつく。年老いた母親には、妹のそっけない受け答えや、Sさんに比べホームへの訪問が少ないことが、寂しさに追い打ちをかけているようだ。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「13」Rである。経緯の「隠者」R以上に、辛そうな母親の姿に見える。今は元気に外出する母親も、寂しさが募っていくと、体調にも悪い影響を及ぼすようになるかもしれない。母親が、Sさんに妹のそっけなさを嘆くのは、ひょっとしたら、元気なうちに妹にも伝えておきたいことがあるからなのだろうか。いずれにしても、現在のような状態が続くなら、母親の寂しさはますます辛いものになるにちがいない。

(4)
   経緯    現状    展望
 
     (4)
④「隠者」Rの対策カードには「節制」が出た。カードの人物は、Sさんをあらわしている。「節制」の天使が、2つの壺をうまく操り、液体を混ぜ合わせているように、Sさんも、寂しがる母親とそっけない妹が気持ちを通わせられるよう、2人の間を取り持つことが求められていると思った。

(5)
   経緯    現状    展望
 
      (5)       (4)
⑤「節制」の注目カードは「神の家」で、この建物は母親が入っている老人ホームであるとわかる。建物から身を乗り出している人物が母親、建物の前で逆さまになっている人物が妹に見える。妹からは、義務感とかしぶしぶ足を運ぶといった様子はなく、何か楽しそうな雰囲気が感じられる。妹にどんな声掛けをしたら、こんな風になれるのか?対策カードに出ているのだから、きっとぴったりの声掛けがあるはず。Sさんは、これまでの妹とのやり取りを振り返ってみようと思った。

(6)
   経緯    現状    展望
   
     (5)       (4)       (6)
⑥「13」Rの対策カードは「愚者」で、Sさんは自分のあるべき姿を見る思いがした。寂しさを訴える母親に会って、自分まで深刻に暗くなってはいけない。愚者のように、明るくおおらかな気持ちで、母親の気持ちが前向きになるような接し方をしていくことが大切だと思った。

(7)
   経緯    現状    展望
   
     (5)       (4)       (6)      (7)
⑦「愚者」の注目カードは「力」である。Sさんは、カードを見て、少女と少女になつくライオンを見て、自分と妹をあらわしているように思えてきた。そうだ、まず、自分と妹が心を通わせることだ。「愚者」と「力」は、蜂で親縁しているが、蜂が示唆するのは、心を通わせる秘訣のようなものだろうか。例えば、二人が共通して味わったことのある喜びや幸せ、楽しい思い出など、お互いの心を一つにできる話題などがあれば、妹との関係も親密さが増し、母親のことも話題に出しやすくなりそうだ。

(8)
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⑧「力」の注目カードは「太陽」で、Sさんは、カードの絵柄から、母親(太陽)のところに、妹(左側の少年)を連れていく自分(右側の少年)を思い浮かべた。ぜひ、こんな日を迎えられるようにしたいと思った。そうできれば、年老いた母親は、今まで以上に大きな喜びを感じてくれるに違いない。

アドバイスカードは「世界」で、現状と同じカードである。Sさんは、現状と同じメッセージを受け取った。自分の役割をしっかり果たそうと思った。3人の心が一つになり、笑顔で喜び合えるように。

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