Q
Tさんは、ここ数年、実家の整理や母の世話等でてんてこ舞いしてきたが、やっと一段落するところまできた。山積していた課題が一つずつ解決するにつれ、ほっとする時間が増え
て、心に余裕が持てるようになった。25年前に父が亡くなり、父亡き後、家業を切り盛りしてきた母も、今は施設で穏やかに過ごしている。こんな安らぎに満ちた日々を迎えることができるようになったのは、タロットやアストロロジー、アロマの学びがあったからだと、Tさんにはわかる。これまで、問題にぶつかるごとに、リーディングをしたりホロスコープからヒントを得たり、アロマを活用したりして乗り越えてきたからである。だからか、今後の人生を考えた時、今までずっと学んできた魂の学びをしっかり習得して、自分の人間力をアップさせながら、いずれは学びの成果を活かせるようになりたいという思いが湧き起こってくる。自分の勉強の目標を、自己成長から、他者への貢献にレベルアップしていこうと思うが、自分にも道は開かれているだろうか。タロットに相談することにした。
E・Tさん 50代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状の「宙吊り」を見て、Tさんは、自分のパーソナルカードであることに気づいた。このカードには、逆さになった人物が描かれているが、その表情は穏やかで窮屈さを全く感じさせない。まるで宇宙瞑想しているかのようだ。まさに内省する人の姿、魂の学びに勤しむ人で、今のTさんをよくあらわしている。カードが正立で出ていることからわかるように、これらの学びで、人生に新しい視点を得ていくことは、Tさんに合っているようだ。Tさんは、カードに描かれたロープを見て、これらの学びの世界としっかり繋がっていくことの大切さを感じた。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯に出たのは「星」で、自然が豊かな故郷の風景を思い起こさせる。これまで、実家の整理や高齢になった母の世話で、何度足を運んだことだろう。Tさんの母は気が強く、一人娘のTさんへの期待と要求は半端ではなかったので、ずいぶん辛い思いをしながら駆けつけていた。その都度、タロット・リーディングをして臨んだことで、問題解決が容易になった。また、アストロロジーは自分の人生や母との関係を理解するうえで大いに役立ち、母との関係は劇的に円満になった。アロマも、心身のリフレッシュを手助けしてくれた。Tさんは、カードが正立で出たのを見て、努力が実ってよかったと思った。最善を尽くした甲斐があったのだ。自分の頑張りが認められた気がして、素直に嬉しさを噛みしめた。
(3)展望
③展望は「戦車」で、Tさんのソウルカードである。2頭立ての馬車を巧みに操る御者のように、自分が志すことをやり遂げていくには、手綱さばきが重要であると思った。カードは正立なので、仕事と魂の学びを両立させながら、魂の学びで他者に寄与できる力を磨いていく道は開かれているようだ。自分で決めたことをしっかりやり遂げる秘訣は、自分の中にある2頭の馬(ガッツな馬と思慮深い馬とも言える)のさばき方にかかっている、その通りだ。これを忘れることがあってはならない。
(4)
④「星」の注目カードは「神の家」R。この堅牢な建物は、Tさんの実家である。建物から身を乗り出している人物が母、逆立ちしている人物は実家に駆け付けて、母の剣幕にあたふたしているTさんだ。残念ながら、実家は区画整理のため、敷地内の建物をすべて解体することになった。その時は、片づけが大変で何も感じられなかったが、後で更地を見た時、両親の思いが理解できた気がした。それまでは、母との関係に苦労していたので、両親の気持ちや家業(学習塾)に対する強い思い入れに向き合うことができていなかった。Tさんは、申し訳なかったと思う。
(5)
⑤「神の家」Rの対策カードは「審判」で、天使は、旅立った父に違いない。Tさんには、父が、「家業をそのまま引き継ぐことはなくなっても、親の志を受け継いでくれたら嬉しい。自分が大切にするものをしっかり磨き、最善と思うやり方で実践していきなさい。いつも見守り、応援しているからね」と語ってくれたように思えた。Tさんは、ひょんなきっかけで、最近、塾のアルバイトを始め、父の応援を感じたが、今取り組んでいる魂の学びについても、父は賛同してくれるのではないだろうか。父がますます喜んで応援してくれるよう、頑張りたいと思った。施設にいる母も、きっと温かく見守ってくれるだろう。
アドバイスカードは「節制」である。天使が慎重に集中して二つの壺を操っているので、壺を行き交う水が一滴もこぼれていない。Tさんは、この天使のように、丁寧に集中して魂の学びに取り組んでいく決意が固まった。今は、学ぶ側で何かと手助けを受けているが、これからは節制の天使と同じ立場で役立つことをめざして、人間力も日々磨いていこうと思った。カードを展開したおかげで、自分にも道は開かれていると確信できた。
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