本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第386回 功績のある高齢の女性社員が店長に疎まれて、心が痛む。

Q

D氏は、全国の主要都市に店舗を持つ婦人服の会社に勤めている。普段は本社勤務であるが、地方の店舗で展示会などイベントを開催する時は、本社から派遣されて応援に行く。今回は、名古屋の店舗だ。その店舗には、D氏がよく知る高齢の女性販売員がいる。その女性は正社員として勤め上げ、しばらくして契約社員として復帰した。もう70代だが、今でも若い販売員に引けを取らない販売力を持っているので、本社からの信頼は非常に篤い。ところが、若い店長にとっては煙たい存在のようで、D氏の目から見て、高齢の女性販売員に対する言動もとげとげしく感じられてならない。D氏は、非常に心が痛んだ。何か自分にできることはないかと思い、タロットに助言を求めることにした。

                                                                                                                                                                                                                           H・D氏 40代 東京

A

(1)現状
現状
①現状に出たのは「戦車」Rである。逆向きで出たが、本来の「戦車」は、その道の成功者、大きな成果を出した人を示唆するので、この人物は、かつてその店舗でカリスマ販売員だった人、70代になった今も、本社から見込まれて契約社員として勤務している女性販売員だと、D氏はピンときた。彼女には、かつて名古屋地区の売り上げのほとんどを作り上げた実績があり、本社では、かけがえのない功労者として高く評価されているのである。しかし、今の店長は、彼女の功績を知らないわけではないのに、彼女を評価するどころか、逆に煙たがっている。カードは、この残念な状況をよくあらわしている。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「太陽」が正立で出た。D氏には、このカードに描かれる2人は、女性販売員と自分であることがすぐに分かった。D氏は、入社間もない頃、名古屋地区の展示会で一緒に仕事をしたことがあり、それ以来、かけがえのない仕事仲間なのである。1年に数回であるが、意気投合して接客するので、売り上げも好成績だ。年齢的にはずっと年下になるD氏にとって、社内で尊敬してきた1人でもある。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「運命の輪」で、黄色の動物が目を引いた。輪の上の台座をしっかり見据え、必死に車輪を駆け上がろうとしている様子が、契約社員として頑張る彼女に見える。有能な販売員ではあるが、70代になった彼女が、店長からの冷たい視線を感じる中、店舗に立ち続けるのは心身ともにきついのではないだろうか。D氏は、「もう少しだわ、あと少し頑張ろう!」と自分を鼓舞して店舗に立つ彼女を思った。D氏は、現状の「戦車」Rと展望の「運命の輪」が車輪で親縁しているに気づいて、彼女の人柄と功績をよく知る自分だからこそできる心情的なサポートがあるように思った。彼女が達成感と共に勤め上げることができるよう、何とか役立ちたいと、強く思った。

(4)
経緯 現状 展望
 
    (4)
④「戦車」Rの対策カードは「隠者」。高齢になるまで販売の道一筋で、豊かな経験を持つ人の姿である。しかし、店舗では、店長が彼女を疎んじるので、彼女の昔を知る人は少ないようだ。数々の輝かしい実績を出して名古屋の店舗に大貢献してきた人であり、販売に必要な智慧やコツをたくさん持ち合わせた人であることを知らされる機会がないために、何となく「高齢の煙たい人」になってしまっているように感じられる。D氏は、彼女が、実は「隠者」のような人であることを、知ってもらうようにすることに鍵があるようにと思った。

(5)
経緯 現状 展望
   
    (5)     (4)
⑤「隠者」の注目カードは「教皇」である。絵柄の複数の人物は、名古屋の店舗の店長と従業員であろう。高齢の彼女の真の姿を知るD氏は、彼女の存在がその店舗でもっとよく知られるように、積極的に働きかけるべきだと思った。今までは、陰でこっそりと彼女を激励したり、労ったりしてきたが、それでは不十分だとカードが言っている。D氏は1年に数回しか名古屋の店舗に出張しないが、その際には、彼女の功績を取り上げたり、さりげなく話題にしたりしながら、皆が彼女に一目置くようにしなさい、できれば、店長も彼女の存在を「隠者」のような存在として見直せるくらい、彼女を取り立ててあげなさいと言っているかのようだ。

アドバイスカードは「節制」である。D氏は、彼女の会社への貢献度や功績を敢えて取り上げ、称賛することが、職場で不遇にある彼女への救済になると思った。彼女に向けられる視線が変われば、彼女も契約社員として戻って来てよかったと思えるだろう。振り返れば、有能な彼女と一緒に仕事をする機会に恵まれたことは本当に楽しい思い出で、またD氏自身の成果にもつながった。今度は自分が手を差し伸べる番だと思った。チャンスを逃さないようにしよう。

前回のケーススタディ

(第201回~最新号)

(第82回~第200回)