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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第339回 遠方で独り暮らしをする老父にどう接するといいか。

Mさんの父は、今春、配偶者(Mさんの母)が他界してから、関西の実家で独り暮らしをしている。80歳にして初めての独り暮らしで、交友関係もほとんどなく、これといった趣味を持たないせいか、Mさんが電話すると、寂しさや老いの辛さを訴える。Mさんは、遠方に住んでいるので頻繁に帰省はできず、関西にいる兄2人も自分の家庭や仕事で、父を十分気遣う余裕がない。Mさんと兄たちは、施設への入所を考えるが、父は長年住み慣れた家に愛着があり、社交的でないので、父本人に施設への入所はあまり勧めていない。しかし、9月に入って暑かった日に、父が熱中症になりかけた。そのことを知ったMさんは、これを機に、やはり施設への入所を強く勧めるべきだろうかと悩んでいる。Mさんは、タロットに助言を求めることにした。

M・Mさん 40代 神奈川

A

(1)

現状
①現状に出たのは、「太陽」Rである。Mさんは、カードを見るなり、父と自分の今の状況をよく映し出していると思った。父は生活リズムが乱れ、健康的な生活を送ることが難しくなっている。Mさんは、そんな父の傍にいて支えてあげたいと願うが、遠方に住んでいるため容易ではない。父の弱音を電話で聞かされるMさんは、辛いが、どうにもできないでいる。

(2)
経緯 現状
②経緯の「月」はMさんの実家、父が、30年以上住んできた家である。母が他界するまで、父と母は、時に愚痴をこぼしたりけんかしたりしながら、2人で仲良く暮らしてきた。母が亡くなってから、父は寂しいと言うが、家を離れるつもりはない。母との思い出が詰まった家なので、思い出とともに日々生活することは、父にとって心の拠り所になっているのだろう。

(3)
経緯 現状 展望
   
③展望は「愚者」。どこかに向かおうとする父の姿だ。母がいない喪失感から遠くを見上げ、その空白を埋めたがっているのかもしれない。

(4)
経緯 現状 展望
   
 
 (4)
④「太陽」Rの対策カードは、「悪魔」である。中央の大悪魔が父、下にいる小悪魔は、Mさんたちである。小悪魔たちが緩やかにロープでつながれ、大悪魔を仰ぎ見る様子から、Mさんは、父が決して独りぼっちではないこと、離れていても子供たちの気持ちはいつも父とともにあることを、父自身が実感できるようにすることが、施設への入所を強く勧めるよりずっと大切であると思った。

(5)
経緯 現状 展望
   
 
 (4)
⑤展望の注目カード「節制」は、父に手を差し伸べてくれる人に違いない。Mさんがすぐ思い浮かべたのは、母がお世話になっていたケースワーカーさんである。この人なら、父のことをよく知っている。父の寂しさが紛れ、健康的な生活をしていくうえでどうしたらいいか助言をいただけそうだ。Mさんは、まず、このケースワーカーさんに相談してみようと思った。

アドバイスカードも、現状の対策カードと同じ「悪魔」である。緩やかにつながる大悪魔と小悪魔には、安定した一体感がある。Mさんは、今、自分が父にすべきは、施設への入所ではない。父の意思を尊重しながら、孤独を感じさせない配慮、干渉や束縛にならない関わり方の工夫なのだろう。Mさんにとって簡単ではないが、気持ちを切り替え、できる限りやってみようと思った。 前回のケーススタディ</a>  

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