Q.Kさんの彼は15歳年下である。Kさんがかなり年上であることを承知の上で始まった交際であるが、Kさんは実年齢を言い出せないでいる。彼との関係がうまく進むにつれて、年齢を明らかにしていないことがKさんの心に重くのしかかる。正直に話したらいい関係が壊れてしまうのではないかと恐れる自分がどこかにいるのである。遠距離恋愛のため会う機会は限られており、次回は来月のKさんの誕生日と決めている。今までは年齢の話になると適当にはぐらかしてきた。そんな状態を続けるのはそろそろ限界のようにも思う。今度こそ自分の年齢のことを話した方がいいだろうか。(M・Kさん
40代)
A.
(1)
現状 |
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彼との年齢の差を気にするKさん。彼の年齢は知っていても自分の年齢はつい隠してしまう。手を隠す小悪魔の姿は今のKさんをよく映し出している。「30代の後半くらい?」と彼から尋ねられれば、だますつもりはさらさらないが「ええ、まあそれくらい・・・」としか言えないKさん。「せっかくの関係を壊したくない。打ち明けることで彼の気持ちが冷めてしまうのがこわい。」という思いがKさんの心を縛りつけてしまっているのだ。逆向きで出た「悪魔」Rのカードを見て、本当に問題なのは彼との年齢の差というよりは、自分の思い込みと不安が作り出した束縛であることにハッとする。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯は「正義」である。Kさんと彼は6年間友人であった。友人として交流するうちに交際を申し込んだのは彼の方だった。自分よりずいぶん年上であることを承知の上で。友人から恋人になるまで彼は熱心にアプローチを続けた。その熱意がKさんの心を動かし、Kさんは彼の申し出を受けることにしたのだった。彼も必死だったに違いないが、「正義」よりKさんも大きな決断をしたことが分かる。
(3)
展望は「審判」が出た。次回の二人のデートの様子である。今まで隠されていたものが明らかになり、二人はそれを受け入れる。このカードは、Kさんが誕生日に年齢を彼に明かす状況を見事にあらわしている。天使は「ハッピー バースデー」の音楽を奏でKさんの誕生日を祝福している。Kさんも心の重荷がとれ晴れやかになるだろう。
(4)
「悪魔」Rの対策カードは「宙づり」。ここでも手を隠す姿で「悪魔」と親縁しているが、「宙づり」はこの事態を180度違うところから観察している。「悪魔」Rより問題の原因が自縄自縛にあることに気づき、まず自分の考えを変えることが大切だ。「宙づり」の足は木星の形をしていることから、年齢問題に対し楽観的であることを勧めている。
この展開でKさんの心はどれだけ救われたか知れない。時には互いの家族関係を話すこともあった二人は今後のことを真剣に考えている。大切なのは当事者である二人が築く関係であって、世間的にどう見えるとか他人からどう思われるかではない、表面的なことにとらわれていたから苦しかったんだと納得がいったKさん。バースデーのデートが待ち遠しくなった。
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