ケーススタディ104

最新のケーススタディ　2009年11月25日号　掲載

Q.去年からの不況の影響を受けてきた事業家は多い。伝統産業を生業とするSさんもそうだ。今までも大変な時は何度か経験したが、昨年秋からはかつてないほどの試練であったという。一年が経ち何とか峠を乗り越えたようだ。ほっとすると同時に、四半世紀走り続けてきた仕事人生を見直したいという気持ちも出てきた。年を取ったせいもあるが、これからは無理のないペースで、今まで以上に満足のいく仕事をしたい。これからの事業スタンスについて、タロットにもアドバイスを求めることにした。（K・Sさん、50代　岐阜）

A.（1）現状

現状

「愚者」は新たな旅に出ようとしている。楽しそうに遠くを見て。「愚者」は、一歩一歩踏みしめ魂の完成をめざす巡礼者である。Sさんの今の心境を見事にあらわしている。もう少しゆったり生きよう。じっくり一つ一つの仕事に取り組むことで、仕事だけでなく人生のゴールにも向き合って行こうとする姿勢は、これからの人生のよき第一歩である。

（2）　経緯

経緯	現状

経緯は「戦車」R。これまでの状況をよくあらわしている。伝統産業ならではの経営の難しさに加え、社会全体の景気悪化の余波を受け、前に進もうにも進めない苦しい状況が続いた。必死に自分の心を奮い立たせ、無我夢中で自分を走らせてきた。まるで、御者が馬を叱咤激励して、かろうじて手綱さばきをしてきたかのようだ。Sさんにとって想像を超える試練であったことが、カードの逆向きから窺える。

（3）展望

経緯	現状	展望

（２）	（1）	（３）

展望は「皇帝」である。社長であるSさんにもっともふさわしいカードが出た。ゆったりと構え自己の信念を着実に実行して行く姿である。過去に経験した苦境からの脱出がSさんを力強く成長させ、「愚者」の理想を現実化している。Sさんの事業スタンスを後押しする最高のカードである。今後はSさん自身満足のいく結果を出せるであろう。

（4）

経緯	現状	展望


(4)

「戦車」Rの対策カードは、「節制」であった。経費を切り詰め、なんとか資金繰りをして乗り切ってきたSさんだ。月末を向かえるごとに、とりあえずその月の支払いを済ませることでしのいできた日々が浮かぶ。

(5)

	経緯	現状	展望


(5)	(4)

「節制」の注目カードは「力」。苦しい経営状況を必死にやりくりするSさんを鼓舞して来たものは何か。それは文字通り「力」であった。未来をしっかり見つめ、単なる苦しみではなく試練として受け止め、勇気を持って試練に立ち向かおうと決意したSさんの心意気が、Sさんに奇蹟的な力を発揮させたのだ。普段のSさんからは想像を超える「火事場の馬鹿力」で乗り切ってきた。このカードを見て、Sさんは自分の頑張りが無駄でなかったことを確認でき、苦労が報われたことを実感した。

少ない枚数であったが、これまでのねぎらいと今後の希望が見える展開となり、心の整理がついた。カードの後押しを受けて、気持ちよく次の段階に進める。

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